2021年4月18日で、ファミコン版『影の伝説』(1986年4月18日発売)が発売されてちょうど35年となります。もともとこの『影の伝説』は、タイトーから1985年にアーケードゲームとして発売されたもの。魔の者が巣くう魔城にとらわれた「霧姫」を助けるために戦う伊賀忍者「影(かげ)」の活躍を描いた横スクロールアクションゲームでした。
グラフィックやBGMのクオリティはアーケード版にこそ及ばないものの、それでも耳に残る和風のBGMのカッコイイ旋律や、主人公「影」の小気味よいアクションで人気を博した名作ゲームです。
ビジュアル的には、当時よく見受けられたデフォルメされたキャラではなく、スラリとした頭身の忍者が戦う様は非常にスタイリッシュ。そのカッコよさは、のちにリリースされた忍者ゲームにも少なからず影響を与えたようにも思えます。
ゲーム性としては近距離攻撃用の刀と、飛び道具の手裏剣を駆使して戦う、比較的シンプルなアクションもの。ファミコンに移植されるにあたって、アーケード版から存在した「巻物(マキモノ)」のほかに、「水晶玉」や「術丸」といったパワーアップアイテムが追加され、アクションの幅が広がっています。影のすばやい移動速度、忍者らしい高い跳躍力で画面内を縦横無尽に動き回れる、その良好な操作性も好評でした。
アーケード版でもおなじみの「巻物」を取ると、一定時間「雷光」のような画面フラッシュが発動。同時に「ビィィィィ!」という音を発し、画面内に入ってきた敵を問答無用で倒してしまいます。
しかし、忍術の圧倒的な強さとは裏腹に、敵の忍者がポトポトと落ちていく様子は、まるで蚊取り線香にやられる蚊のよう……。そのシュールな絵面に大ウケし、テレビの前で友達同士で盛り上がった記憶があります。