■有馬記念で奇跡を起こした、もう1頭のスターホース!

 そして13.3%の支持を集め、第1位に輝いたのは地方からやってきた芦毛の怪物「オグリキャップ」だった。

 地方競馬の笠松競馬場でデビューを果たしたオグリキャップは、12戦10勝の戦績を引っさげて中央競馬に移籍。芝のレースでもオグリの破竹の快進撃は続いたが、クラシック登録をしていなかったため、当時の制度では皐月賞や日本ダービーに出ることはかなわなかった。

 中央競馬でも連勝を続けたオグリは、天皇賞・秋でタマモクロスの2着に敗れるまで無敗。その年の有馬記念ではライバル・タマモクロスに雪辱を果たし、初G1制覇を果たした。ほかにもスーパークリークやイナリワンといった強豪としのぎを削ったオグリキャップは、80年代の後半から90年代にかけての第二次競馬ブームの火つけ役となったことでも知られる。

 そんなオグリキャップの衝撃的なレースと言えば、89年のマイルチャンピオンシップとジャパンカップだろう。11月19日に開催された1600メートルのG1レースに出走してハナ差の激闘を制したオグリは、翌週の26日に行われた2400メートルのジャパンカップにも出走。いわゆる連闘策をとったオグリは、ジャパンカップでも当時の世界レコードである2分22秒2で駆け抜け、クビ差の2着に惜敗した。

 そして90年の秋は惨敗続きで精彩を欠き、衰えも指摘されたオグリキャップ陣営は、有馬記念での引退を発表。しかし、武豊騎手を背に臨んだ有馬記念ではこれまでの不振がウソのような激走を見せ、最後の直線でメジロライアンの猛追を抑えて勝利。芦毛の怪物にふさわしい劇的なラストランとなった。

 第2次競馬ブームは「オグリキャップブーム」と言っても過言ではないほどの人気ぶり。当時UFOキャッチャーの景品で、オグリキャップのぬいぐるみをゲットした人もいるのでは?

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