■「奇跡の復活」に日本中が沸いた!
第2位(12%)となる支持を集めたのは「トウカイテイオー」。度重なるケガに泣かされながらも何度も奇跡を起こした、90年代前半を駆け抜けた名馬だ。
無敗で皐月賞、日本ダービーのクラシック2冠を制覇したテイオー。その安定感のある勝ちっぷりを見て、競馬ファンの誰もが父・シンボリルドルフと同じ無敗の3冠馬の誕生を夢見たことだろう。
しかしダービーのレース後、テイオーに骨折が発覚し、最後の1冠・菊花賞への出走を断念。この年の菊花賞を制したのがダービーの2着馬レオダーバンだったことから「テイオーが順調だったら……」と歯がゆい思いをしたファンも多かったはず。
復帰してから天皇賞・春でメジロマックイーンに敗れたあと、再びテイオーの骨折が発覚。その後再起を賭けた天皇賞・秋も惨敗して、もうダメかと思ったジャパンカップで海外の強豪を相手に圧勝したりと、ファンをハラハラさせながらも奇跡的な勝利を見せてくれる存在だった。
だが、その年の有馬記念で惨敗したあとに再びケガ。宝塚記念での復帰が期待されたがレース直前に骨折が判明し、結局レースに出走できたのは翌年の有馬記念で、ほぼ1年ぶり(364日)の復帰レースが暮れの大レースという厳しい条件。それでも4番人気に支持されたのは、私のように「テイオーならもしかして……」とほのかに期待しながら、応援のために馬券を買ったファンが多かったのかも。
結果はご存知の通り、奇跡の復活を遂げたトウカイテイオーが劇的な勝利。それも次世代を代表する最強馬ビワハヤヒデを真っ向勝負でねじ伏せての勝利だったのだから、その価値は計り知れない。
トウカイテイオーの全戦績はG1レース4勝を含む12戦9勝。ケガが多かったので出走レース自体は少ないが、結果以上に競馬ファンの記憶に残る名馬であったことは間違いない。
先日まで放送されていた『ウマ娘』の2期アニメは、このトウカイテイオーが主人公。ケガによって夢が絶たれたテイオーの挫折や、メジロマックイーンとの対決、ビワハヤヒデと激突した最後の有馬記念など、アニメを見ていて当時の興奮や感動がよみがえった競馬ファンも多いのではないだろうか。