■突き(六三四の剣)
みなさんは『JIN -仁-』などでも有名な村上もとか氏の『六三四の剣』という漫画をご存知だろうか。アニメ化もされた剣道がモチーフになった人気作品で、その中に登場する技は実在する剣道の技ばかり。そのため再現はしやすいのだが、小学生の私が注目したのは主人公・六三四のライバルである東堂修羅というキャラクターが得意とする技だった。
その技とは「突き」。文字通り竹刀を突くシンプルな技だが、作中ではのど元を狙う描写もあり、六三四の父親が死に至る要因となった危険な技でもあった。私は修羅が好きだったので、この「突き」のポーズをよく真似していたのだが、本気で人を相手に再現しようとしたらケガどころの騒ぎでは済まなかっただろう。
ちなみに同じような剣技のポーズで言うと『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の技も真似されがちだった。アバン先生の「アバンストラッシュ」やヒュンケルの「ブラッディースクライド」などは、同世代のかなりの人が真似をしたことがあるのでは!?
■三角跳び(キャプテン翼)
我々の子ども時代の大人気サッカー漫画といえば、高橋陽一氏の『キャプテン翼』だ。サッカー少年ならドライブシュートやオーバーヘッドキックの真似をするのが定番だったが、なぜか私は実戦ではほぼ使えない若島津健の「三角跳び」の練習をしたことがある。
若島津くんは、翼のライバルである日向小次郎のチームメイトで、全日本では世界最高との呼び声が高い若林源三に次ぐ優秀なゴールキーパーと言われていた。この若島津くんは空手を習っていたこともあり、空手技を活かした守備を見せる。
その若島津くんの代表的な技が「三角跳び」。シュートコースと逆の方向に跳んでしまった際、ゴールポストを蹴って反対側にジャンプしたり、通常より高くジャンプするというアクロバティックな必殺技だ。
この説明からも分かる通り、どれだけ練習したところで一般人の私がゴールポストを蹴っても逆サイドまで跳べるはずもない。そもそも実際のサッカーのルールではゴールポストを蹴ると反則を取られかねない。
つまり実戦ではまったく使えない技だったのだが、若島津くんのようにゴールポストを蹴って跳んでみたいという思いが強く、芝生のところで一生懸命三角跳びの練習をしていた。
ちなみに友達との遊びの中でも、この技でゴールを防げたことは一度もない……。