■国内興収トップを守り続けた世界的名作
第2位には11.3%の得票率で、2001年公開の『千と千尋の神隠し』がランクイン。同作は家族とともに引っ越し先に向かう10歳の少女・千尋が不思議な世界に迷い込むところからスタートする。千尋はこの世界に住む少年ハクに助けられたことがきっかけで湯屋「油屋」で働くこととなり、さまざまな客の相手をしていく。
『千と千尋』の主な舞台となる湯屋の構造とデザインはかなり独特。鮮やかな朱色と緑色が印象的で、カラフルできらびやかな雰囲気を感じさせる。また湯屋とは対照的に、終盤に登場する千尋とカオナシが海の上を走る電車に乗って移動する風景は幻想的で美しいシーンに仕上がっている。
全体的なストーリーとしては謎が多く、物語の結末の考察をする人も多いが、一方でその風景描写の美しさも随一。『千と千尋』を選んだ人からは「ハクとおにぎりを食べるシーンに心がギュッとなる」(38歳・女性)、「独特な世界観」(40歳・男性)、「湯屋のデザインがオシャレ」(39歳・男性)、「長い夢を見ているような話だから」(45歳・男性)、「ハクと千尋が手をつないで空を飛んでいるシーンがステキだから」(46歳・女性)と好きなシーンがたくさん寄せられた。
なお、『千と千尋』は2020年に「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」にその記録を抜かれるまでは、19年間日本の歴代興行収入ランキングで1位に君臨し続けていた。多くの人にとって、長年にわたって心に印象深く残る作品のようだ。