■「あかおにホーマー」って誰!?

 続いて第2位にランクインしたのは、『桃太郎伝説』(11.3%)。人気シリーズとなった『桃太郎電鉄』の元になったRPGで、当時『週刊少年ジャンプ』の読者コーナー「ジャンプ放送局」を担当していた、さくまあきら氏が監督を務め、イラストは土井孝幸氏が、音楽はサザンオールスターズの関口和之氏が務めた。

 内容は日本のおとぎ話のエッセンスを取り入れた王道のRPG。しかし作中に、今では通じないようなギャグやパロディーが盛り込まれていたりする。たとえば、桃伝にはいろいろな鬼が登場する。主人公は桃太郎だから敵は鬼というわけだが、その中にバットとグローブを持った「あかおにホーマー」という奴があらわれるのだ。

 令和の若者に、この元ネタは分からないだろうなぁ……。昔、ヤクルトスワローズにボブ・ホーナーという強打者がいたのだ。来日初年度でホームランを31本も打ち、CMにも引っ張りだこだった。ただし、たったの1年で離日してしまった。

 その他にも「きんぎんパールプレゼントのオニ」というのもいた。ライオンのブルーダイヤという洗剤は今もあるが、昔は同封の応募券を送ることで、金か銀かパールのペンダントを抽選でもらうことができた。要はそのパロディーである。

■知的な爆弾破壊ゲーム

 そして今回のアンケートで15.7%の人からの支持を集めて第1位に輝いたファミコンソフトは、『ボンバーマン』。アクションゲームにパズルゲームの要素も兼ね備えた名作である。破壊可能な壁の配置と敵キャラ、そして所持している爆弾の火力を加味し、全50ステージを上手に爆破しながら進めていく。瞬時の判断も問われるから、脳をフル回転させるにはちょうどいいゲームだった。アンケートでは、「ミスをして自滅することが多かった」(31歳)、「中毒性がある」(34歳)、「敵の行動を見ながらアイテムを取るのが楽しかった」(41歳)といったコメントが寄せられた。

 ボンバーマンに関しては、筆者自身にも思い入れがある。91年発売の『ボンバーマンII』以降は複数対戦機能が実装され、近所の友たちとゲーム内でバトルを繰り広げていた。その対戦機能というのがまた本格的で、基本は5本先取だがスコアが4-4になるとデュースになり、以降は2本先取というルールだった。ボンバーマンとは、テニスやスカッシュに極めて近い競技なのだ。このソフトが売られていた頃に子ども時代を過ごしたことは、やはり幸運だったと筆者は考えている。

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