■“外野手”はセンターもレフトも守れるわけではない

 パワプロでは、内野手は各ポジションごとにメインの守備位置が設定されているが、外野に関しては“ライト”や“センター”と分かれておらず“外野”とひとくくりにされる。その結果「外野であればセンターもレフトも関係なくすべて守れるんでしょ?」と考えてしまいそうだが、小中で外野を守っていた筆者に言わせると、それは非常に難しい。

 外野が最も足を動かさなければいけないのは、飛んできたボールを追うことではなく、内野手の送球がそれたときのためのカバーリングである。カバーリングをおろそかにすると、大量失点につながるリスクがあり、どれだけ送球が安定している内野手のスローでも、いちいちカバーリングをしなければいけない。そして、カバーリングは外野の各ポジションで当然動き方が違うため、「ランナーがどこにいるのか」「どこに打球が飛んだのか」を把握する必要があり、「外野手ならどこでも守れる」というわけではない。

 余談だが、カバーリングはどれだけ頑張っても評価されにくいうえに、サボるとめちゃめちゃ怒られる理不尽な業務なので、カバーリングをしっかりやっている外野手には優しい声をかけてあげてほしい。

■ファーストは誰でもできるポジションじゃない

 パワプロのサクセスをプレイしていると、走力や肩力が低いとメインの守備位置がキャッチャーやショートであっても、ファーストとして試合に出されることがある。確かにファーストは足の速さや肩の強さは重視されないポジションだが、メインの守備位置ではない選手が守れるほど単純ではない。

 筆者は肩が弱かったので、高校時代はファーストに転身したが、実際に守ってみてその大変さを思い知った。走り回ったり送球することはあまりないのは認めるが、毎回ハーフバウンドを投げる人や無自覚に変化球を投げる人など、“面倒な内野手”からの送球を取らなければいけないのは骨が折れる。

 ファーストは内野手からの送球をキャッチするのがおもな業務であるため、めちゃくちゃな送球でも取れないと「ファーストはそれぐらいしか仕事がないんだから、多少難しいボールでも取れよ」と考える人が多く、本当に勘弁してほしい。

 愚痴っぽくなってしまったが、試合だけでなくサクセスの面白さやパロメーターへのこだわりなど、もちろん遊び心満載の画期的なゲームである『パワプロ』シリーズ。パワプロには、いい思い出ばかりである。

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