1980年代の日米貿易摩擦を是正するレトロ“珍ゲー”『ジャパンバッシング』とはの画像
1992年発売のPCゲーム『ジャパンバッシング』より
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 80年代の日本経済は、とにかく強かった。日本製の自動車や半導体は飛ぶように売れ、海外にも数多くの日系メーカーが進出した。が、それは日米貿易摩擦をも生んでしまった。日本車に押されたアメリカ車はディーラーの倉庫でホコリをかぶるようになり、かつては世界一の自動車生産都市だったデトロイトはすっかり寂れた。全米各地で日本製品を破壊する過激なデモも行われ、貿易摩擦は極みへと達した。そんな80年代を再現したレトロPCゲーム『ジャパンバッシング』をプレイしてみたので、今回はその様子を読者の皆様にお伝えしたい。

『ジャパンバッシング』レトロゲーム配信サービス『プロジェクトEGG』でプレイ可

■80年代の「日米貿易摩擦」を解消しよう!

『ジャパンバッシング』プレイ画面より

 1992年、PC-9801向けに発売された、この『ジャパンバッシング』なるPCゲーム。アメリカによる“ジャパンバッシング”(日本叩き)をテーマで、1992年までにアメリカにとって有利な日米関係を構築していくことを目的としたシミュレーションゲームだ。

 今の若者にこのことを言っても信じてもらえないかもしれないが、40年前の日本は世界一の「半導体生産大国」だった。メモリといえば、日本製。極東の島国からもたらされる半導体は世界最先端のテクノロジーを支えてきた。『ジャパンバッシング』は、そんな時代のお話である。

 プレイヤーはアメリカの対日外交担当官になり、貿易収支のギャップを少しでも埋めるために日本と交渉する。ひと言で言えば、アメリカの製品が日本で売れるように話を持っていくのだ。だが、問題はクルマや半導体だけではない。日本の米農家は超保守的で、外国の米の上陸を頑として認めない。「尊農攘夷」という言葉もあるほど。そのあたりの解決もプレイヤーの仕事である。

 ある一つの議題に対して協力要請や通常会談を行いつつ、出る場面では強気に出る。どうしても譲れない議題では首脳会談、場合によってはホットラインを使ってこちらの要求を提示する。このゲーム、開始時点から日米の貿易不均衡が深刻化しているので、ほんの一瞬でも弱気になってはいけない。

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