4月22日(金)公開のしんちゃん映画最新作は、しんのすけの出生の秘密に迫る忍者アクション大作『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』。“もののけの術” で呼び出したゴリラで「地球のへそ」の栓を守り、自身もゴリラの屁祖隠胡麻衛門(へそがくれごまえもん)を演じるのは花江夏樹さん。全4回でお送りするインタビュー企画の第2回目は、映画のストーリーやテーマについて伺いました。
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父親になった今だからこそ表現できる芝居もある
ーー本作のストーリーやテーマについてはどう感じましたか?
大きなテーマとしては「家族」ですよね。自由奔放な野原家で育ったしんのすけと、厳格な忍者の里で育った珍蔵との対比が印象的で、同じ日に同じ病院で生まれた二人だけど、環境によって成長の仕方はまったく違うんだなと感じました。ただそんな中でも親が子供を想う気持ちは同じだし、子供が親を慕う気持ちは同じなんですよね。コミカルで笑いに溢れる展開ながらも、胸に刺さるシーンがたくさんありました。
ーー胡麻衛門は珍蔵を育ててきた父親ですが、大切な任務のために、なかなか珍蔵と十分にコミュニケーションが取れていないという状況なんですよね。
そうですね。胡麻衛門は父親として珍蔵のことをとても大切に想っているので、それだけに演じていてもどかしい気持ちはありました。
ーー花江さんも二児の父親で、かつお忙しい毎日だと思います。将来的に胡麻衛門のような状態になってしまう可能性もあるなと感じましたか?
いや、僕はバリバリ休んでるので(笑)。朝から晩まで会社にいなきゃいけないサラリーマンのお父さん方と比べれば、僕の場合は職業柄ちょくちょく空き時間などもありますし、そこはあまり心配していないですね。このタイミングで子供と公園に行こうとか、わりと意識的に子どもと触れ合う時間は作れていると思います。
ーー胡麻衛門を演じるに当たって、ご自身の父親としての体験なども役に立ちましたか?
それはあると思います。劇中では妻であるちよめが二人目の子どもを身籠っているのですが、生まれるまでのソワソワした感じとかは僕自身もすごく記憶に残っていますし、赤ん坊を抱っこしてあやすシーンなども、実際に僕もやったことですから。その経験は大きかったかなと思います。
ーーしんのすけが実は病院で取り違えた子かもしれないという展開もショッキングですね。
そうですね。かなりシリアスなところから始まりますよね。でもそのあとはいつものドタバタ劇が進んでいって、どんな状況でも悲壮感が漂わないのがやっぱりしんちゃん映画っぽいなと思います。
ーーちなみに、花江さんは子ども時代にそういう想像をしたことはありますか?
もし自分が中世ヨーロッパの貴族の息子としてお城に生まれていたらとか、現実とかけ離れた妄想はしたことがありますけど、リアルには考えたことはなかったですね。子どもなりに家族に満足していたというか、楽しかったんだと思います。
ーー本作でとくに楽しみにしているシーンはありますか?
ハライチさんの漫才シーンです(笑)。ハライチさんがゲスト出演することを知って、岩井(勇気)さんに「ご一緒しますね」と連絡したんですよ。そしたら岩井さんがこの作品のために本気でネタを書き下ろしているということを聞いて。そのシーンはまだ観れていないので、はやく観てみたいなと思っています。本編とはあまり関係ないところで、すみません(笑)。
文/岡本大介
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花江夏樹独占インタビュー第3回は、5月上旬公開予定!
次回『クレヨンしんちゃん』特集は、ハライチのお二人のインタビューを掲載予定。お楽しみに!
花江夏樹 はなえ なつき
6月26日生まれ、神奈川県出身。11年に声優デビュー。14年に出演した『アルドノア・ゼロ』(界塚伊奈帆役)、『東京喰種トーキョーグール』(金木研役)、『四月は君の嘘』(有馬公生役)で第9回声優アワード新人男優賞を受賞。ほか、近年の主な出演作に、『鬼滅の刃』(竈門炭治郎役)、『プラチナエンド』(ルベル役)、『群青のファンファーレ』(天音・グレイス役)、映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』(ロウマ〈鴨川朗真〉役)、『映画 オッドタクシー・イン・ザ・ウッズ』(小戸川役)など。
INFORMATION
■タイトル:映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝
■原作:臼井儀人(らくだ社)/「月刊まんがタウン」(双葉社)連載中/テレビ朝日系列で放送中
■監督:橋本昌和
■脚本:うえのきみこ、橋本昌和
■製作:シンエイ動画・テレビ朝日・ADKエモーションズ・双葉社
■声の出演:小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ ほか
■ゲスト声優:川栄李奈、ハライチ
■主題歌:緑黄色社会「陽はまた昇るから」
■公開日:4月22日(金)
■コピーライト:©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2022
公式サイト:https://www.shinchan-movie.com/
ある日、屁祖隠(へそがくれ)ちよめという女が、野原家を訪ねてきた。ちよめは、自分がしんのすけの本当の母親だと告白する。その夜、突然忍者が野原家に忍び入り、寝ているしんのすけを連れ去ってしまう。しんのすけが連れて行かれたのは、忍者だけが暮らす忍びの里だった……。その里には「地球のへそ」があり、屁祖隠家が「もののけの術」でエネルギーが漏れ出ないようにへその栓を代々守ってきたという。もしも栓が抜けたら、エネルギーが漏れ出し、地球は枯れ、自転が止まり、世界の明日は失われてしまう……。屁祖隠の名を継ぐ「屁祖隠しんのすけ」は、果たして地球の未来を守れるのかーー!?