内山昂輝インタビュー(1)アニメとしての表現をリアルの知識から生み出していく/アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』特集の画像
内山昂輝(森 流鶯役)

4月8日より放送されるアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』特集の第2弾は、主人公・潤平のライバルとなる天才バレエダンサー・流鶯(るおう)を演じる内山昂輝インタビュー。流鶯は幼い頃からバレエの英才教育を受けており、圧倒的な才能を持つ中学生。しかし特殊な生い立ちゆえに、人と接することが苦手な引きこもりという性格だ。この少年を、陰のあるキャラクターを数多く演じてきた内山は、どのように演じたのか。まずは本作の特徴である“バレエ”の表現について、語ってもらった。(全3回)

 

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課題となるのはいつも「アニメとしてどう表現するか」

森 流鶯(設定資料より)

――本作はバレエを描いた青春ストーリーですが、内山さんはこれまでバレエに馴染みはありましたか? バレエそのものではなく、漫画や映画といった何か作品を通してですとか。

 

あまり馴染みはありませんでしたね。漫画も仕事に関する作品を仕事のために読むことがほとんどなので。でも『ダンスール』の原作は、読んでいてとっても面白い漫画だなと感じました。次の展開が気になってどんどん読み進めたくなるし、じょじょにキャラクターも増えていって世界も広がっていくし。

 

――今回演じるに当たって、バレエについて調べたり、何か準備されたことはありますか?

 

アフレコ現場にバレエ監修の方が来てくださっていたので、セリフを言う上で必要な情報はその場で訊いて確認しながらやりましたね。言い方がわからないバレエの専門用語などは、逐一説明を受けていました。

ダンスをアニメでどう表現していくかという部分では、バレエダンサーの方がスタジオに来てくださって、お話を伺える日があったんですよ。ジャンプのときは、どういう風に息を吸ったり吐いたりするのか。どんなときに力んだり、声が出たりするのか。そういうことを細かく教えてもらいました。その場で監修をしていただきながら、アフレコしたシーンもあります。

 

――ダンサーの方が実際に来てくださるなんて貴重ですね! 他のスポーツなどと比べて、呼吸などに違いはありましたか?

 

他の作品でも、実際にその競技をやっている方にお話を伺ったことはあるんですが、やっぱり課題としていつも立ちふさがるのは「アニメとしてどう表現するか」。案外、実際の競技者の方に尋ねてみると、呼吸をそんなに意識してないという方や、自然とついてくるものだとおっしゃる方もいらっしゃるんですよ。

今回のバレエだと、まず基本として、観客にハアハアゼエゼエしているところは見せないそうです。どうしてもというときは、お客様に顔が見えないタイミング、後ろを振り向いた一瞬などで呼吸を取り戻したりすることはあるけれども、客席にまで聞こえるような呼吸や声をあげることはないですよ、と。その前提を踏まえた上で、呼吸や力む感じをどう表現すべきか考えながらつくっていきました。

 

――確かに、バレエダンサーは役を演じる舞台役者でもありますから、お客様に素を見せるわけにはいきませんよね。バレエ監修の方からは、どんなお話がありましたか?

 

事前に直接何か言われることはあまりなくて、セリフの中で疑問を感じたら全部確認するというスタイルでしたね。例えば先生役のキャストの方なら、レッスンでの教え方の雰囲気とか、カウントの刻み方のリズムなどを教わったりして、僕に限らずキャストみんな、リアルに演じるにはどうしたらいいかを追求していました。

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