昨年発売されて、好評を博したフォトブック『SHUN HORIE ホリエル、シネマる。 1st PHOTO BOOK』(双葉社刊)。本書で、堀江さんが愛する日本映画についてを語ったインタビューを、WEB声優MENでダイジェスト版でお届けします!
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幼少期から映画を観て、数々の映画に影響を受けたと語る堀江さん。今回は、前編に続いて、大好きな日本映画の魅力をインタビュー。堀江さんがスクリーンで出会った大好きな女優を語ります。
『冷たい熱帯魚』(2011年公開)
『誰も知らない』(2004年公開)
『ヘルタースケルター』(2012年公開)
『THE 有頂天ホテル』(2006年公開)
リアルな表現の怖さがたまらない作品
Q.ブラックユーモアに溢れているのは、なんといってもこの『冷たい熱帯魚』ですね。熱帯魚店の店主が猟奇的な殺人事件に加害者として巻き込まれていくお話です。
「園子温監督作品は、こぞって本能むき出しなんですけど、そればかりではなく、どこかマンガチックなおもしろさがありますよね。やたらエロい奥さんが出てきたりする一方で、すごく残酷な解体シーンがあったり、緩急が素晴らしいんです。僕は園監督の作品はほとんど観ていて、とくにこの映画は、ゴア描写、残酷描写が出てくるたびに感動してしまいます。多分、過酷な状況に直面したときの登場人物の表情や心境に惹かれているんでしょうね」
Q.『誰も知らない』も、別の意味で過酷な状況を描いています。血の繋がらない4人の兄妹の姿が観ていて切ないです。
「これはもう泣きました。子どもたちを捨てる母親をYOUさんが演じているのですが、その顔が見られなくなるくらいリアルに演じていて、もはや憎らしい気持ちすら湧いてきてしまいます。それくらいみなさんのお芝居が素晴らしいし、アドリブを重ねていくお芝居にも、映画と現実の境目を曖昧にする魅力があります。最後に急展開があって、柳楽優弥さん演じる長兄が決断を強いられるのですが、誰も責められませんよね…」
Q.蜷川実花監督『ヘルタースケルター』は沢尻エリカさんの主演で、センセーショナルな内容が話題になりましたね。
「観た当時は、あまり監督さんを意識していなかったのですが、この映画で蜷川実花さんのことを知りました。いまでは写真集も持っているくらい蜷川さんの写真も好きですし、この映画も好きです。蜷川監督の映画で『Diner ダイナー』などを観ていて思ったのですが、ワンカットごとの画を本当に大切に撮られている監督だなと思いました。僕は蜷川監督の一枚の画としての完成度の高さに魅了されるのですが、もしかしたら、蜷川さんの写真家としての矜持や、本能的な部分がそこに表れているのかなと勝手に思ったりしています。しかも、それがおぞましく残酷な夢という感じを作り出していて素敵ですね」