2019年の『初めて恋をした日に読む話』、そして今年1月クールの『恋はつづくよどこまでも』(ともにTBS系)などなど、少女漫画が原作のテレビドラマが依然人気となっている。ヒロインと結ばれる相手役のイケメンは、横浜流星(24)や佐藤健(31)といった実写化に定評のある実力派の俳優たちが起用され、漫画で与えてくれたときめきを、立体感をもって視聴者に届けてくれる。
そんなステキで甘美な少女漫画の世界だが、場面場面に現れてはイライラとした感情を与えてくれる「ライバルキャラ」の存在もつきもの。そこで今回は30代の漫画ライターが独断と偏見で選ぶ、「少女漫画史上最もイライラしたライバルキャラ」を3人セレクトしてみた。作品を知っている人は共感しながら、知らない人はぜひ紹介作品を読んでこの感情を共有してほしい。
※以下、本文中に本編のネタバレを含みます。
■唯一無二の悪魔キャラ
まず1人目は『ピーチガール』の柏木紗絵。上田美和氏による同作は『別冊フレンド』(講談社)で1997年から2004年まで連載された漫画で、2016年からは、続編となる『ピーチガールNEXT』が『BE・LOVE』(講談社)にて連載されている。見た目はガングロギャルだが、実は純粋でまじめという主人公・安達ももが、恋や友情へと奮闘する物語で、2017年に山本美月さん主演で実写映画が公開された。
今回紹介する「さえ」こと柏木紗絵は、安達ももとは逆に、色白・きゃしゃで小柄な天使のような見た目の女子高校生。だが中身は腹黒な一面を持っており、男にウケる外見とブリッ子的行動を駆使して他人の男を奪ってきた。ももが中学時代から恋をしていた「とーじ」とつきあい始めると、根も葉もない噂を流してはももを孤立させ、2人を疑心暗鬼に陥らせようとあの手この手で邪魔をしてくる。
最終的にとーじを脅して2人を無理やり別れさせることに成功し、かと思えばすぐに他の男に目移りし、その男を自分のものにするためには他人を不幸にすることもいとわない。「困ったちゃん」というかわいらしい言葉では済ませられない厄介者なのである。
現在連載中の『ピーチガールNEXT』でも、柏木紗絵による卑劣な行動は健在。絶対に知り合いにいてほしくないタイプの女子だが、「ピーチガールといえば紗絵」と言えるほどインパクトのあるキャラクター。映画版で紗絵役を務めた永野芽衣さんの演技もすごかった!