■神曲から紡ぎ出される感動のラストシーン

 挿入歌『竈門炭治郎のうた』は、椎名豪氏の作り出した美しいメロディ、そして中川奈美によるしみわたるようなボーカルで、炭治郎が失った優しい家族を回想しながらも前に向かっていく覚悟を示した詞を歌っている。まさに第十九話のこの場面、竈門家の絆を感じる名シーンにふさわしい曲だった。

 そして炭治郎が累の首を斬ったところで、そのままエンディングに突入するのだが、この回は特殊エンディングとなっており、そのまま挿入歌の『竈門炭治郎のうた』が流れ続ける。さらにキャストやスタッフ名の横には、幼い炭治郎を抱きかかえる父・炭十郎や、竈門家の家族全員が笑って集合している姿など、感慨深い場面が描かれていた。

 個人的には、第十九話のエピソードとエンディングに至る演出を初めて見たとき、感動のあまり映画のスタッフロールが終わっても立ち上がれないときと同様の感覚に陥った。

 吾峠呼世晴氏が生み出した感動的なストーリー、ufotableによる演出と圧巻のアニメーション映像、花江夏樹を始めとするキャスト陣の熱のこもった演技、そして『竈門炭治郎のうた』という名曲が折り重なって、この「ヒノカミ」というアニメ屈指の神回が誕生したのだと思う。

(ふたまん編集部)

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