10月16日に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開されて1週間が経過。日本映画の初動記録を塗り替える最高の滑り出しを見せ、大きな話題を呼んでいます。さまざまなメディアが『鬼滅の刃』の話題を連日取り上げ、ファンを公言する芸能人も続出。中にはクオリティの高い『鬼滅』キャラのコスプレ姿を披露する方もいるほどです。
「社会現象」とまで言われる大ヒットの一方で、何となく興味はあるけど「知識がなくて話題にまったくついていけない」という人もけっこう見受けられます。そこで『鬼滅の刃』とはどんな物語で、どのような部分を押さえておけばいいのか、基礎的な要点を3つにまとめてご紹介したいと思います。
■【1】心優しき兄と鬼と化した妹の「家族愛」の物語
『鬼滅の刃』には「人間と鬼が戦う残酷なバトルがある」と聞いて避けていた方もいるかもしれません。もちろん作中にはそういうシーンもありますが、作品の根幹にあるのは心優しい主人公の少年・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)と、その妹の禰豆子(ねずこ)の家族愛の物語です。
作品の舞台は、“人喰い鬼”が出る大正時代の日本。炭治郎の不在時に彼の家族は人喰い鬼に襲われます。そのとき唯一生き残ったのが妹の禰豆子ですが、彼女自身も鬼と化してしまいます。
しかし普通の人食い鬼とは違い、禰豆子は人の肉を食べなくても我慢できる上、人も襲いません。それでも鬼の本能に負けて人間を食べないように「竹で作られた口枷」をつけ、「日の光が苦手」という鬼の習性があるために、日中は炭治郎が背負っている箱の中で眠っていることが多いのです。