■コミュニケーションのぬくもりを再現

 いつも車が走ってる道路にはたくさんの同人誌即売ブースがならび、ブースごとに大きな看板と同人誌が積まれた机が設置してあった。近づくと積まれている同人誌は手にとって読むことができる。サンプルページを「立ち読み」することができるのだ。

 これも、いわゆる電子書籍サイトの「立ち読み」とは違う。コントローラーを通して本を握って、目の前に持っていき、ペラペラとめくって読む。もちろん実際の立ち読みと同じように、読んでいる人の隣に立てば覗き込むかたちで一緒に読むことができる!

 さらに、そのままブースから販売サイトに飛んで購入し電子書籍として受け取るほかに、実際の紙の同人誌を選んで注文すれば、後日現実に本が発送されてくるという仕組みに対応しているところもあった。たくさん並ぶブースをウロウロさまようバーチャル秋葉原の自分。これはネットショッピングとはまた違う買い物のかたちだなと感じた。

 ブースに売り子さんがいる場合もあり、出店している人気Vtuberさんに会うことができた。購入サイトでの「出店者に問い合わせ」を押すより、その場で作家さんとリアルタイムのコミュニケーションがとれるのもすごく面白いと思った。ちゃんと人がいる安心感というか、あたたかさというか、そこが再現されているのがこの企画のすてきなところだ。

 最近は就職活動の場としてもバーチャル空間が使われているそうだ。たしかにこのかたちなら、人と人の出会いの場としてきちんと成り立つように思う。味わいあふれる下町の商店街とか、普通に買い物がしたいショッピングモールなんかがVR空間で登場したら絶対に行ってみたいと強く感じた。もし私がバーチャル店舗を出すなら、タロット占いをするVR占いの館を作りたい!

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