■収録前に秋葉原の街を散歩
そんな電気であふれる秋葉原に初めて降り立ったのは、声優の養成所に通いだしてからのことである。今まで何度もお世話になってきたゲーマーズ秋葉原本店さんのイベントフロアに、先輩声優さんのイベント見学として行ったのが初めての秋葉原だった。その後もお仕事として行く機会が多く、秋葉原はすっかり“仕事で行く土地”になってしまった。
収録のときなどは前後の時間にガチャガチャやフィギュアをチェックしにお店に立ち寄ることもある。だがほとんどはイベント出演で行くことが多いものだから、なかなか秋葉原でゆっくりできないのがオタク声優の切実な悩みでもある。
もちろんたいていのものはネットでも買うことが出来るし、今すぐにエヴァのフィギュアが必要ということもない。ただ、何となくグッズを眺めてさまよう行為の中には、掘り出し物があるかもしれないという宝探しのワクワク感と、自分が持っているグッズを発見して「あちゃーこれももう持ってるわw」という自分のオタ活が行き届いていることへの満足感など、とにかく心が充実する要素しかない。
一人で黙って散策しているように見えて、確実に幸せを噛みしめているのである。なにより田舎育ちの私にとっては「俺は今、秋葉原にいる!」という事実がシンプルにうれしかったりするのだ。