■音声ギミックが近年のなりきり玩具の主流

 もちろん、音声ギミックも充実。斬撃音だけでなく、各作品ごとに「○○フィニッシュ!」「××クラッシュ!」というふうに、派手な音楽や必殺技名が流れるのが、近年の主流となっている。

 また『ウルトラシリーズ』の場合は、変身後も俳優が“インナースペース”と呼ばれる空間でアイテムを操作する演出が取り入れられたことで、武器アイテムの魅せ方に革命を起こした。

 たとえば2016年放送の『ウルトラマンオーブ』に登場する『オーブカリバー』だ。インナースペース内では“強化変身用のアイテム”として違和感のないミニサイズ(玩具のサイズ)だが、実際に戦闘する際は迫力のある大型の剣としてウルトラマンが振り回している。変身アイテムと武器の両方として表現することで、“あえて玩具サイズそのままの武器を出す”という、逆転の発想を成し遂げたのである。子どものなりきりやすさの観点から見ても、すばらしい発想といえよう。

 今回の『DX日輪刀』も、劇中の炭治郎のセリフ(CV:花江夏樹)や効果音が鳴るとパッケージでアピールされており、なりきり玩具として非常に期待が高まる一品となっている。「刀身を交換することで、“水の呼吸”と“ヒノカミ神楽”の2モードの音声が楽しめる」「刀身を外して柄(持ち手)だけにして振ると、型の効果音が鳴る」というギミックも、特撮玩具を作り続けてきたからこそのノウハウの集大成だろう。ツイッターでは冗談交じりに、「終盤で別の強化パーツを接続するジョイントがありそう」「ボタンを一定の条件で押すと、最強フォーム用の音声が鳴りそう」と“特撮玩具あるある”で大喜利を楽しむファンもいた。

 9月から放送開始予定の『仮面ライダーセイバー』に登場する『聖剣ソードライバー』も、エンブレムの付け替えで、現段階で発表されている『火炎剣烈火(かえんけん・れっか)』と『水勢剣流水(すいせいけん・ながれ)』のように、あらゆる種類の聖剣として楽しめることがPRされていることから、今年は剣の玩具がプッシュされる年になるのだろう。

 刀剣はロマン。『鬼滅の刃』ファンは、これを機に特撮玩具にも注目してみてはいかがだろうか。きっと、想像以上になりきれること間違いなしだ!

(特撮ライター・トシ)

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