■「多人数」の戦いを描いた名作ライダー

 また、もうひとつ『龍騎』や『鎧武』と共通するポイントに「多人数ライダー」が挙げられる。『龍騎』は「13人のライダーがモンスター(龍、コウモリ、コブラなど)と契約し、最後の1人になるまでデスゲームを行う」というライダー史上例を見ない残酷な設定と、カードゲームの要素を含んだ戦い方が特徴。

 一方『鎧武』も制作発表の段階から鎧武・バロン・龍玄・斬月・グリドンという5人の仮面ライダーが公開された多人数ライダー。殺し合いではなくなったが、“陣営”の要素があり、ライダー同士で徒党を組んだり、裏切りや一時共闘するといった展開が物語にメリハリを与えていた。各ライダーのモチーフは“フルーツ&甲冑”で、武器も刀、槍、銃、弓、盾、槌、鉄拳、弓と、多種多様でバリエーション豊かなファイトスタイルで視聴者を飽きさせなかった。

 セイバーは10体以上の仮面ライダーが登場することが予告されているが、公式サイトによると「日本の抜刀術やフェンシングのような西洋剣術、中国武術など、世界のさまざまな“剣技”を駆使して戦う」という。武器のモチーフが統一されているだけに、鎧武とはまた違ったアクションの差別化にも期待できそうだ。

「異世界×多人数ライダー」という取り合わせから、『セイバー』への期待も高まるばかり。脚本を担当する福田卓郎氏と高橋一浩プロデューサーが過去に手掛けた『仮面ライダーゴースト』は、「超常現象による異世界からの侵攻と見せかけて、実はかつて別の惑星に移住した地球人によって作られた科学文明の発達した世界だった」という展開で視聴者を驚かせたことがあるが、今回の『セイバー』はどうなるのか? 9月6日の放送開始を前に、楽しみは深まるばかりだ。

(特撮ライター・トシ)

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