7月13日に発表された土日の全国映画動員ランキング(興行通信社)で、再上映されているスタジオジブリ制作の劇場版アニメ『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督、2001年)が3週連続で首位を獲得した。同じく再上映されている『もののけ姫』が2位、『風の谷のナウシカ』が3位と前々週、前週に続きトップ3をスタジオジブリの名作が独占している。
6月26日から「一生に一度は、映画館でジブリを」のコンセプトのもと、全国364の劇場で再上映されているジブリ作品。新作の公開もスタートしている中、これほどまでにジブリが強さを見せるのは、そのコンセプト通りジブリの深く作り込まれた世界観にどっぷり浸りたいという人が多いからだろう。そこで今回は「もしも、ジブリ映画の中に行けるならどの作品がいいか」を調査。20代から40代の男女300名を対象にアンケートを行った。(アンケートサイト「ボイスノート」調べ)
まず全体の8.0%の人から支持され、第5位に選ばれたのは今回の再上映で3週連続首位を獲得中の『千と千尋の神隠し』。
主な舞台となるのは、八百万の神様が体を休める湯屋『油屋』。本来、人間は立ち入ってはいけない場所だったのだが、主人公の千尋とその両親がうっかり迷い込んでしまったのが、物語の始まりだった。
劇中では「従業員」の千尋目線で描かれていたため大変そうな職場に見えたが、劇中で「お客様」は豪勢な食事や、大きな風呂で手厚くもてなされていた。悪臭を放つ腐れ神(本当は汚れがひどかっただけの河の神様)も追い返すことなく接客していたことから見ても、客として楽しめるのなら、行ってみたい人は多いのだろう。
千尋の両親が食べていた、丸呑みできる肉料理を筆頭に、食事も非常に美味しそう。無断で食べたせいで両親はブタに変えられてしまったが、あれを食べられるならブタになってもいいと思えるくらい美味しそうに平らげていたのは印象的だ。
油屋のモデルになった温泉地は多く、そのひとつが愛媛県・松山市の道後温泉。スタジオジブリ公式サイト「ジブリ日誌」では、宮崎監督による「色々な温泉が入っていて特定のモデルはないけれど、道後温泉は確かに入っている」という証言があったことが記載されている。
続く第4位(8.3%)は『風の谷のナウシカ』だった。
ナウシカの世界は、千年前の戦争の影響で土地は荒れに荒れ、有毒ガスに満ちた『腐海』が蔓延、ダンゴムシに大量の目をつけて巨大化したような王蟲(オーム)が生息している、荒廃した世界観だ。主人公ナウシカが暮らす『風の谷』は、風の影響で毒に侵されていないため、のどかな暮らしをしている。歴代ジブリでもかなりハードな世界観だと思うが、やはり風の谷の美しさの影響だろうか。意外にも、第4位にランクインしている。