さまざまな伝説や神話において、最強の存在とうたわれる「ドラゴン」。それを倒した者を称える称号、もしくはそれをなしえる武器が「ドラゴンスレイヤー」と呼ばれます。『ドラゴンクエスト』(エニックス)の発売以降、RPGの楽しさを知ったファミコンキッズである自分にとっては、中二病的な魅力に満ちた心躍らせるキーワードでした。
そんな「ドラゴンスレイヤー」の名を冠するパソコンゲームがあることを、当時の専門雑誌で知りました。制作していたのは日本ファルコム……のちに『イース』や『ソーサリアン』『英雄伝説』などの名作を生み出したゲームメーカーです。高価なパソコンなど持っていなかったキッズの頃、ファルコムのゲームを遊ぶのは大きな憧れでした。
しかし、今からちょうど33年前の1987年7月17日に、ファミコン版『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』(ナムコ)が発売。発売元はナムコですが、開発は日本ファルコム。それも天下の「ドラゴンスレイヤー」ブランドを冠したタイトルが、突然ファミコンという自分にも手の届く場所にやってきたのです。それも一番最初のMSX2版(1987年7月10日発売)とほぼ同時発売ということで、遅れての移植ではないピカピカの新作。これにはテンションが上がりまくり。
そして「なんでいきなり4作目?」と思ったのは自分だけではないはず。「ドラゴンスレイヤー」シリーズは、1作目『ドラゴンスレイヤー』、2作目『ザナドゥ』、3作目『ロマンシア』と続くシリーズ。『ドラスレ4』が発売された同年の10月に、ファミコンに『ロマンシア』(東京書籍)が移植。さらに同年11月には、2作目の『ザナドゥ』の移植版である『ファザナドゥ』(ハドソン)も発売されます。つまり1987年に「ドラスレ4」→「ドラスレ3」→「ドラスレ2」という謎の順番で、ファミコンにドラスレシリーズが登場したことになりますね。