■エログロ上等のロボットアニメで異色の主人公も熱演!

 最後の1作は、前に紹介した2作品に比べるとそこまで有名ではないかもしれませんが、水樹さんの出演作品を振り返ったときに真っ先に思い浮かんだのが、2014年放送のロボットアニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』のアンジュ役でした。

 同作は、大国の第一皇女として何不自由ない生活を送っていた「アンジュリーゼ」が、突然その身分をはく奪され、名前まで奪われて僻地の離島流しに。そこでアンジェを名乗り、変形人型兵器に搭乗して“ドラゴン”と呼ばれる敵と戦うことになる物語です。

 水樹さん演じるアンジュは皇女時代もけっして善人ではなく、ノーマと呼ばれるマナ(魔法のような力)を持たない者を差別し、見下していました。アンジュ自身がノーマだと分かったあともその意識はあまり変わらず、そのせいで一緒に戦う仲間からイジメられようがおかまいなし。むしろ容赦なく反撃したり、あらゆる手段を駆使して懐柔しようとする“ゲスな手段”も見せるアンジュは、これまでのロボットアニメの主人公像を一変させるインパクトがありました。

 そんなアンジュ役の水樹さんの演技は「カッコいい」のひと言に尽きます。皇女としての恵まれた生活から転落したあと、どんな過酷な環境に追い込まれようとたくましく、ずぶとく生き抜く力。そして自分をおとしめた肉親には情け容赦ない復讐をもくろみ、それを実現する実行力など、まさに男勝りのバイタリティで成し遂げていくのです。それを演じるのが、これまで優等生的なキャラを数多く演じてきた水樹奈々さんというギャップが面白く、ファンとして興味深い部分でもありました。

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