前半に「意外と重めの話」とは書きましたが。全体を通すとめっちゃコメディも入っています。

 多いときには見開きで10個以上ボケてるんじゃないかな? それが各々のキャラクターに合っていてどんどん親近感が湧いてきます。これがまた生き生きしてて。ツッコミが激しすぎる女の子がいるんですが、その子が毎回かかと落としで皆を流血させるシーンがお気に入りです。

 笑いは緩急が大事って養成所で習ったんですが、少女漫画にも大事なのかもしれません。

 生き生きしたかわいらしいキャラクターが愛くるしくボケまくった後、恋愛や個々の葛藤などシリアス調のシーンではビシッと締めてくるので、よりその心理描写やセリフが刺さってきます。

 間違いなく少女漫画なのですが、僕は大人が楽しめて心温まる絵本のような作品になっていると思っています。できることなら10年以上たったみんなが今どういう生活を送っているのかも見てみたい。

 この『ハチミツとクローバー』は全10巻。こんなに最後までどう着地するのか分からなかった作品はこれが初めてかもです。ラストは下手したら賛否両論あるのかもしれない。でも僕はすごいラストだなと思いました。ぜひ読んでお確かめください。おやすみ前のひと時、優しいハチクロワールドで癒されてみてはいかがでしょうか、きっとステキな夢が見られること間違いなしですよ。

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