■アニメ化された、あの名作も必見!

『週刊少年ジャンプ』の鬼にまつわる作品で忘れてはならないのが、原作・真倉翔氏、作画・岡野剛氏による作品『地獄先生ぬ~べ~』だ。霊能力者であり小学校教師の鵺野鳴介(通称・ぬ~べ~)が、自分の左腕に封じこめた“鬼の手”の力を使い、妖怪や悪霊、怪奇現象から生徒を守るために戦うという物語。

 1996年にはアニメ化もされ、『地獄先生ぬ~べ~NEO』『地獄先生ぬ~べ~S』といった新作続編も発表されている。鬼の話というよりは、鬼の力を手にした主人公の物語だが、霊能力と鬼の手を使って戦う姿にアツくなれる名作だ。

 そして『湘南爆走族』や『荒くれKNIGHT』で知られる吉田聡氏が『ヤングキング』で連載していた『鬼のヒデトラ』も、鬼がモチーフとなったオススメ作品。田舎町に転校してきた主人公・千葉秀虎が、好意を寄せる女の子を守るために異形の者と戦う物語だ。

 鬼のようにケンカが強い秀虎は、「蒼き異形の王」と呼ばれる本物の鬼を体に秘めている。吉田聡氏ならではの不良漫画の要素も色濃いが、その本質はファンタジーでありラブコメ。さわやかな読後感が読者を引きつける名作だ。

 今回オススメした4作品以外にも、『デビルマン』で知られる永井豪氏による鬼をテーマにしたSFファンタジー作品『手天童子』や、漫画ではなく小説だが藤川桂介氏の『宇宙皇子』(角川書店)なども、和風テイストの鬼がモチーフになった傑作として挙げられる。興味のある方は、このあたりの作品もチェックしてみてはいかがだろうか。

(文・吉田ゆういち)

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