■炭治郎の行動から創意工夫の力を学ぶ
考えたら考え抜いただけ、人は強くなれます。誰かに頼りきりでは、本物の技術や知識を身に着けることはできません。自分で考えなければ、真の答えにはたどり着くことはできません。これは実際、非常に難しいことではあるのですが、自分で考えることを習慣にしなければなりません。
「考えろ考えろ 自分にできる最大のこと 今の俺にできることは (中略)呼吸を混ぜるんだ 水の呼吸とヒノカミ神楽と合わせて使う そうすれば 水の呼吸のみよりも攻撃力は上がり ヒノカミ神楽よりも長く動ける」(11巻 第90話「感謝する」より)
考え抜くのに必要なのは主に3つのステップ。
【1】現状を分析する
【2】過去の体験、自分が持っているスキルを自覚する
【3】状況打破のために創意工夫する
まさに炭治郎の心の声を見れば、過去の経験を活かし、自分が持っている能力をきちんと自覚し、組み合わせて解決しようと考えています。
悩んで、頭の中がごちゃごちゃになりがちなときこそ、炭治郎が示してくれた、この考えるためのステップをマネしたいものです。
すべてが嫌になり投げ出したくなることや絶望感にとらわれること、心が折れそうになることは誰にでもあると思います。そんなときは『鬼滅の刃』を読み返し、こうしたシーンから自分なりの解決策を見つけてみるのはいかがでしょうか。
『鬼滅の刃』の大切なメッセージに気がつかずに、漫画を流し読みしてしまったらもったいない、と思った私は、キャラクターのセリフや行動を心理学的に読み解き、一冊の本にまとめました。それが『「鬼滅の刃」流強い自分のつくり方』(アスコム刊)です。この本では『鬼滅の刃』にこめられたメッセージの読み取り方も紹介していますので、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
(文・井島由佳)