ああ、しんじゃった『星をみるひと』だけじゃない! 伝説級クソRPG『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』の衝撃【フジタのコラム】の画像
ファミコン用ソフト『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』(フジタ私物)
全ての写真を見る

 みなさんこんにちは、ゲーム芸人のフジタです。5月1日、NintendoSwitchで、33年前のファミコン用RPG『星をみるひと』が配信されることが発表されました。

 今年の夏に配信スタートされるという『星をみるひと』。1987年にホット・ビィというメーカーから発売されたRPGなんですが、何の説明もなくフィールドにほっぽりだされ、運が悪いと、最初に会った敵がラスボスクラスの強さ。おまけに「逃げる」コマンドがない、HPの下一桁の表示がなく正しいHPが分からない、などなど理不尽すぎる設定が多く、ゲームファンの間で「クソゲー」という評価を下されてきた名作RPGです。

めでたく配信が決定した『星をみるひと』

 スタート直後から何度も何度もやる気を打ち砕いてくれる作品なんですが、理不尽なゲームながら、音楽は素晴らしいんです。幻想的なBGMに、そして何よりこの美しいSFチックなタイトル。大人になった今でも大好きなゲームのひとつです。

 そんな伝説的クソゲー『星をみるひと』ですが、さらに上をいく、最上級のクソゲーがあるんです。それが1986年にバップから発売されたRPG『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』です。

ファミコン用ソフト『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』より

 西遊記をモチーフ(?)にしたゲームで、悟空たちが仲間を集めながら天竺を目指すといった内容。ただキャラ以外は、まったく西遊記と関係ありません。

 スタートすると「ながいたびがはじまる」とテロップが出て、周りが海に囲まれた島に放り出されるんですが……。

 何をしていいか全然分からない!

 これこそクソゲーの王道パターンです。クソゲーのジャンルのひとつ「何をしていいか分からないゲーム」の中には、動いているうちにある程度、その先の目的が見えてくる作品もあるのですが、この島には敵どころか、人も街も何もない。おまけに歩く速度も、ドラクエなどの半分ぐらいのスピードでじれったい。そのスピードに苦労しつつ島をすべて周ってもやっぱり何もない。

斜め移動ができるという点は斬新だった

 昼夜の概念があり、その部分は新しいと感激しつつも、何もないし、やっぱり何も起こらない。それでもなんとか頑張って歩いていると、画面が切り替わって、「ああ、しんじゃった」と表示されゲームオーバーになるんです。

 何が起こったかも分からないまま死んでしまう……。この時点でゲームを投げた人も多いと思いますが、説明書を見ると、食料や水という概念があり、なくなると餓死してしまうという仕組みなんです。

脱力感いっぱいのテロップ

 実はこの島には隠された秘密がありまして、全部のマスを歩くと気づくのですが、見えないワープポイントがあり、そこを踏むことで違う地点にワープすることができるんです。

 最初からレベルの謎! ヒントや理屈も一切ない!

この林の間にひとつめの隠し階段があります
  1. 1
  2. 2