■『カエルの楽園2020』のモチーフは現実の世界!?
百田氏が公開した『カエルの楽園2020』は、2016年に発表した寓話『カエルの楽園』(新潮社)の続編。前作は、国を追われた2匹のアマガエルのソクラテスとロベルトが、ツチガエルの住む平和で豊かな国「ナパージュ」に到達。しかしその楽園ナパージュも、凶悪なウシガエルの侵攻によって滅ぼされるという悲劇的な物語だった。
今回の『カエルの楽園2020』は、前作で死んだはずのナパージュのカエルたちが生きているパラレルワールドが舞台。こちらのナパージュではウシガエルの静かなる侵攻が進みつつあるものの、多くのナパージュのカエルはそのもくろみに気づいていないという状況。
そしてナパージュ側がウシガエルの王を国に招待しようという最中に、隣のウシガエルの国でおそろしい伝染病が流行するという、フィクションながらどこか現在の日本に当てはまるようなストーリーだ。
また、同作にはどこかで聞いたことのあるような発言や行動をするキャラクターも多数登場。いち早く伝染病対策を提言する美容医師・イエストールや、ナパージュの行く末を憂いている口の悪いカエル・ハンドレッドのように、あからさまに名前にヒントが隠されていそうなキャラもいた。
まるで昨今の日本の様子を描いているような『カエルの楽園2020』。はたしてその結末がどうなるのか、ステイホームの合間に読んでみてはいかがだろうか。
(文・ふたまん編集部)