■生身でマッハの壁は遠すぎた……【加速装置】

 頑張れば出せそうだった必殺技、第2位は「加速装置」を挙げたいと思います。これは『サイボーグ009』の“009”こと島村ジョーに装備された、動くスピードを爆発的に上昇させる装置のこと。

『サイボーグ009』は1964年から『週刊少年キング』(秋田書店)で連載された、石ノ森章太郎氏によるSF漫画。何度もアニメ化され、2012年には新作アニメ映画『009 RE:CYBORG』が公開されているので、若い世代でもご存じの方は多いことでしょう。

 加速装置による最大運動速度はマッハ3(原作漫画)に達し、ジョーは瞬間移動のような動きを繰り出します。筆者が『サイボーグ009』にハマったのは小学校高学年のころ。足の速さには自信があったので、それはもう毎日のように加速装置を“特訓”したものです。

 登下校の道中、覚えたばかりのクラウチングスタートから「加速装置!」と叫んでは短距離ダッシュを繰り返す……まあ、アホの子ですね。

 そして「加速装置」に自信を持った筆者は、ある日実践に挑みました。自転車に乗った友だちとの真剣勝負。もちろん結果は惨敗。

「あとは勇気だけだ!」

 そんなジョーの名言が背中を押した気がしたんですが、生身でマッハ(自転車)には届きませんでした……。

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