「かめはめ波」「ブーメランフック」「加速装置」幼い頃に特訓した憧れの必殺技の記憶の画像
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 5月5日は「子どもの日」ということで、憧れの漫画やアニメのヒーローたちに思いを馳せたいと思います。

 ヒーローたちに欠かせないものと言えば「変身」「カッコいい武器」、そして「必殺技」。幼い頃、変身ポーズを決め、オモチャの武器を構え、必殺技を叫んで遊んでいた、という男子は多いことでしょう。

 必死に技名を叫んでいると「この技は練習すれば本当に出せるんじゃないか」……なんて思った記憶はありませんか? 筆者にはあります。いや、もちろん実際に出せるワケはないんですが……。

 ステイホームが続く毎日。漫画を手に取る機会はおのずと多くなり、懐かしの名作を読み返していると、ヒーローに憧れた子どもの頃の記憶がよみがえってきます。そんな純粋無垢だった時代を振り返りながら、個人的に「頑張れば出せるかも」と思った必殺技ベスト3を、筆者のエピソードを交えながら独断と偏見にてご紹介したいと思います。

■わりと現実的な必殺技!?【ブーメランフック】

 まず第3位は「ブーメランフック」。大ヒットボクシング漫画『リングにかけろ』(通称『リンかけ』)で、主人公・高嶺竜児が得意とした必殺ブロウ。ジャブ、ストレートに続く、第3のパンチとしてフックを身につけた竜児ですが、これがとんでもないシロモノでした。

 フックとはおおむね水平に、体の外側から内側に向けて出す横殴りのパンチのこと。通常はこれで相手のこめかみやアゴなどを狙いますが、竜児のフックは違います。

 斜め下からえぐる!

 パンチ力とスピードを上げるため、竜児は菊姉(天才トレーナーである竜児の実姉)の指示で、試合以外では鉛入りのパワーリストを手首に装着。そのかせを外して放ったフックは、ミットごと菊姉の手のひらを切り裂くというすさまじい威力を発揮したのです。

 のちに判明することですが、つねにパワーリストをつけていた竜児には、無意識のうちに拳をひねるクセがついていたのです。インパクトの瞬間、拳をねじり込んで威力を上げる、コークスクリューブロウというやつですね。

「そ……そうだ、あの左フックはまるでブーメランだ!!」

 パワーリストの思わぬ効果に驚愕する菊姉。この斜め下から放つコークスクリューフックを、菊姉は「ブーメランフック」と命名します。

 このブーメランフックを打ちこまれた相手は、ユニフォームをざっくり切り裂かれ(なぜか竜児は顔ではなくボディを狙う)、ときにコマのように回転し、ときには場外まで吹っ飛ぶ始末。……もはや殺人パンチです。

『リンかけ』が連載されていたのは筆者が小学生の頃で、当然クラスでも大流行。よく教科書をミットに見立てて、この必殺ブロウを特訓したものです。ようするに斜め下から繰り出すフックなので、竜児のようなバカげた威力はともかく、何となく習得できた感はありました。

 残念ながらというか、幸いにも実践する機会はありませんでしたが、もし実践していたら、きっと先生に大目玉を食らっていたことでしょう。

 なお、『リンかけ』に登場する数ある必殺ブロウの中では、剣崎順の「ギャラクティカマグナム」も大好きでしたが、こちらはポーズは簡単にマネできても、バックに宇宙を出すことができませんでした。

 そう言えば拳に装着する伝説の武器「カイザーナックル」にも憧れましたが、拳を全損しかけた思い出がよみがえってきたので、これ以上はやめておきます……。

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