■斬新なシステムと魅力的なキャラクターたち
本作はゲーム開始時に、6人のキャラクターから主人公1人、仲間2人の計3人を選びます。これは発売当時としてはかなり斬新なシステムでした。
ここで選ばなかったキャラクターはストーリーには登場するものの仲間にはもちろんなりません。
そしてここが重要なのですが、本作は「トライアングルストーリー」と銘打たれており、選んだキャラクターによってストーリー展開が変わり、エンディングも分岐します。
ドラクエで主人公の名前をつけるのにも苦労する私にとって、この選択は「いきなりの難所」と言っても過言ではありませんでした。
初プレイ時はキャラクターの特徴もストーリーもよく分からないですし、ここでの選択次第で「ゲームがつまらなくなる」可能性すら感じ、恐怖でブルブル震えながら選んだのをよく覚えています。
ですが、ご安心ください。誰を選ぼうがこのゲームは面白いし、どうせ2周目もやることになります。
キャラクター6人をざっくり説明します。
まずは初プレイ時、多くの人が主人公に選んだであろうデュラン。
見かけ通り剣を振り回す物理攻撃タイプのキャラクターで、とにかく物理で殴るのが好きだぜ!という好漢な方にオススメです。
さらに負けず嫌い、未熟な精神、強力な必殺技持ちなど主人公感あふれるキャラでもあるので、迷ったら選んでおいて間違いはないです。ストーリーを進めていくうちに立派になっていくデュランの姿をみると「やっぱりRPGっていいな」と実感しますよ。
続いて、私の超イチオシキャラであるアンジェラ。
アンジェラは魔法王国アルテナの王女なのに魔法が使えないという設定ですが、冒頭のとあることをきっかけに秘められた魔力が暴走し、この魔力をしっかりと身につけて母親に認めてもらうために旅に出ます。
女王の一人娘ということもあり、非常にわがままでいたずらばかりしている困ったちゃん(19歳)ですが、その妖艶な魅力で相手を罠にかけるなんてこともします。このギャップよ。
口調がきつく、いわゆる「イヤな奴」ですが私はそれでも好きです。ホントは寂しがり屋さんなんですよ。
そして、デュランに対して好意を寄せるシーンが多くあり、この2人の掛け合いがリメイク版でどう表現されているのか、見るのがとても楽しみです。
戦闘では主に攻撃呪文で戦う魔法使いタイプで、成長していけば強力な全体魔法を覚えていき、レベル上げもラクチンです。(カウンター?知りませんねえ……)アクションRPGにおいては若干使いづらさも感じるかもしれませんが、そこは愛でカバーしましょう。(イチオシとはなんだったのか)
3人目は獣人と人間のハーフであるケヴィン。
人間界に出たことがなく話すことが苦手で、ビーストキングダムの王である父親からは「戦闘マシーン」として鍛え上げられた少年です。
ある日、子どもオオカミのカールとの出会いによって「愛」「やさしさ」といった感情が芽生え、カールと森で遊ぶのが日々の楽しみになっていきます。
そんな彼につきつけられる非常な運命とは……!?
といった感じで、獣人という設定ではあれど、主人公選択時に最も感情移入ができたキャラクターでした。
戦闘では、2回攻撃ができることが特徴で、爽快感はデュランと双璧をなしています。攻撃・魔法のバランスもよいため、とても使いやすいキャラクターですね。
4人目は「でち」の語尾でおなじみのシャルロット。
エルフの血を引いているため成長が遅く、この見た目でありながら15歳というキャラ。
明るく元気で好奇心旺盛だけど、迷信深くてちょっぴり臆病、というなんともかわいらしい性格で、動いているのを見ているだけでも癒されます。
また戦闘においても、序盤ではかなり有用な回復・補助魔法を覚えてくれるためとても重宝します。個人的には周回プレイ時でも、必ず3人のうちの1人に選んでいます。
5人目は「ナバール盗賊団」という義賊の一員であるホークアイ。
名うての盗賊、というだけでRPG好きの人にとっては「お、アイテム収集係か?」と察しがつくかと思うのですが、お察しの通り終盤のアイテム収集時に非常に役立ちます。序盤の戦闘ではほかのキャラクターに比べて強みが分かりづらく、なんだか弱いなと思うかもしれませんが、後半になるとガンガン強くなっていき、ホークアイ特有のトラップや魔法を駆使した戦い方はかなり癖になることでしょう。ちなみに私はコマンド・ターン制RPGばかりやってきたので、最後までうまく扱えませんでした。ごめんね、ホークアイ。
冒頭のシナリオは、海外ドラマを観ているときのような展開の連続でワクワクします。詳細はぜひご自身の目でご確認ください。燃えます。
そして最後の6人目は作中屈指の人気キャラであるリースです。
風の王国ローラントの王女兼、国家を守るアマゾネス軍のリーダーを務めるしっかり者でとにかくマジメな性格。
そのバックボーンには幼い頃に母親を亡くしたことが関係しており(勝手な推測)、弟・エリオットへの愛情も深く、その姿には何度も胸を打たれます。なによりかわいいです。
戦闘ではほかのキャラよりもリーチが長いヤリを武器に戦うため、使いやすさは随一です。(といってもゲームバランスが崩れるほどのリーチではなく、あくまでほかのキャラより長い、程度)
バフ・デバフの呪文も使いこなし、誰とパーティを組んでもバランスよく機能してくれます。あと1人誰にしようかと悩んだらひとまず選んでおいて問題ないです。
そもそも「選びたい奴が多すぎて決め切れない!」という状態になりがちなので、なかなか消去法で選ぶ機会はなさそうですが……。
ざっくりですが今紹介したこの6人から主人公1人、仲間2人の計3人を選びます。
プレイする前からもうお分かりかと思いますが、1周では全ストーリーを追うことは絶対にできません。
しかし、「2周目しんどいな……」という方や「アクションRPGは苦手」という方でもサクサク進んでいけるような難易度なので、周回プレイ時も全然苦痛ではありません。
そして、なにより「クラスチェンジシステム」によってこのゲームはさらなる多面性を見せてくれるのです。