3月27日、プロ野球『ファミスタ』(バンダイナムコ)シリーズの公式ツイッターが、Nintendo Switch版『プロ野球ファミスタ2020』を2020年内に発売することを発表。令和初となる『ファミスタ』最新作の話題は、ネット上でも反響を呼んでいます。
この『ファミスタ』とは、もともとは1986年にファミコン版で発売された元祖『ファミリースタジアム』の略称だったもので、アラフォー世代なら「ファミスタといえばファミコン版」を思い出す人は多いはず。
そこで今回は「スーパーファミスタ」でも「ワースタ」でも、ましてやゲームギア版の「ギアスタ」でもない、ファミコン時代の『ファミスタ』をあらためて振り返ってみたいと思います。
■選手、個人個人に能力がある画期的な野球ゲーム!
『ファミスタ』以前のファミコンの野球ゲームといえば、任天堂の『ベースボール』くらいしかありませんでした。この『ベースボール』には2P対戦モードが用意されていたものの、チームはセ・リーグをモデルにした6球団のみ。それも選手の能力などは全キャラ均一だったため、当時の野球少年たちにはやや不満の残る内容でした。
そんな中、彗星のごとく現れたのが86年発売の『ファミスタ』です。当時のファミコンカセットの容量の関係で実装されたのは10球団でしたが、しっかりセ・パの球団をモチーフにしたチームが登場。その上、選手名が4文字で表示(促音も1文字に含まれるため、『クロマティ=くろまて』といった表記だった)され、打率や本塁打数、走力といった能力値までキチンと設定されていました。
今では野球ゲームのチーム&選手名の実名収録は当たり前ですが、当時としては画期的な出来事だったのを覚えています。ちなみに『ファミスタ'87』まで選手名は実名でしたが、『ファミスタ'88』では実名をもじった架空の名前に変更。「くわた」が「くわわ」、「きよはら」が「きよすく」と微妙に変わったものの、容易にモデル選手が連想できたので、小学生だった自分にとっては些細な違いでした。
ちなみに初代『ファミスタ』の収録チーム数は10球団で、そこにセ・リーグとパ・リーグの人気格差が顕著に表れていました。セ・リーグはしっかり6球団存在したのに対し、パ・リーグは「ライオネルズ」という西武ライオンズらしきチームが存在していたのみ。それ以外のパ・リーグのチームは、鉄道会社系のチームを混成にした「レールウェイズ」と、食品会社系のチームを混成にした「フーズフーズ」にまとめられていました。