■元ハロプロ・真野恵里菜も共感

 もちろんアイドルサイドの物語も同時進行するので、アイドルたちの心境も赤裸々に描かれています。かつて人気グループに所属しながら解散を機に、現在は知名度の低い“ChamJam”でセンターを務める女の子の葛藤。グループ内人気投票をめぐって若干ギスギスするメンバーたち。これまで応援してくれたファンの“推し変”に動揺する女の子……といったアイドル側の心理がリアルに描かれ、率直に興味深く感じられました。

 今年2月には、かつてハロプロのアイドルとして活躍していたタレントの真野恵里菜さんが、自身のツイッターでこのアニメについて言及。「なんかすごい泣けちゃう」「舞菜可愛いし えりぴよの想い熱いし ファン心理がグサグサくる」などとツイートされ、「なんか、アイドルやってよかったなってこのアニメで改めて思った」と称賛。元アイドルの真野さんの言葉からも、作中のアイドルやファンの描写にリアリティがあることを証明しているような気がしました。

 そして迎えた最終話。“ChamJam”のメンバーたちは、「せとうちアイドルフェスティバル」という大舞台のステージに立ちます。推しアイドルの晴れの舞台を、えりぴよたちが感慨深げに見つめる中、いよいよChamJamが登場。しかし、舞菜はこれまでにない大歓声にのまれてしまい、思わずうつむいてしまいます。そんなとき、ステージの最前列で見守っていた、えりぴよの声が耳に入って……という熱い展開がありました。

 そしてステージ終了後、えりぴよと舞菜の間で交わされた“武道館”にまつわる“約束”のシーンは、ここまで視聴してきた自分にとっては涙なくして見られない場面。さらにその直後、エンディング曲『桃色片想い』が流れ出します。

 この曲は、いつもはえりぴよ役のファイルーズあいさんが歌っているのですが、この最終話だけは舞菜(声・立花日菜)とえりぴよが一緒に歌うという神演出。これまで“片思い”だったのが、最終話で“両想い”になったかのような粋な計らいに、再び涙が……。ぜひ第2期の放送も期待したい文句なしの良作でした!

(C)平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会

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