真野恵里菜も絶賛の『推し武道』地下アイドルとドルオタの絆を描いたラストに涙の画像
※画像はアニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の公式ツイッターアカウント『@anime_oshibudo』より
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 3月26日、アニメ『推しが武道館にいってくれたら死ぬ』(TBS系)の最終話が放送されました。同作はエンディングテーマ曲が、松浦亜弥の『桃色片想い』のカバーだったことでも話題になった作品です。

 実は、個人的には放送開始時はそれほど注目していなかったのですが、なんとなく見ているうちに物語に引きこまれて原作漫画も全巻読破。この予想外にハマってしまった作品を最終話まで見終わった今、あらためて振り返ってみたいと思います。

『推し武道』と略される同作は、地下アイドルをモチーフにしたアニメです。アイドルモノのアニメといえば『アイドルマスター』や『ラブライブ!』といった、アイドルの活躍をメインに描いた作品が思い浮かびますが、『推し武道』は“えりぴよ”というアイドルオタクの女子が主人公なのが異色なところです。

 簡単にあらすじを説明すると、この“えりぴよ”という20歳のフリーターの女性が、岡山県の地下アイドルグループ“ChamJam(チャムジャム)”の市井舞菜という女の子に一目惚れ。以降、収入のすべてをイベント参加や舞菜グッズにつぎこむ熱狂的なファンとなり、ドルオタ活動にのめりこんでいきます。

 一方、グループ内で最低人気の舞菜は、自分だけを熱烈に推してくれるえりぴよに感謝をしているものの、内気な性格であがり症のため、えりぴよには“塩対応”と思われるような態度をとってしまいがちです。

 そんな、一見すれ違いに思えるような関係でも、えりぴよは健気に舞菜を応援。ほかのファンの間で「伝説」と呼ばれるような一目置かれるドルオタになっていく……といったストーリーなのです。

■リアルなアイドルファンの言動や葛藤

 この作品は、あくまでアイドルファンの視点を主軸に描かれているのが珍しい部分です。主人公のえりぴよは、ドルオタ活動のために持っていた服をすべて売り払い、つねに学生時代のジャージで行動するという徹底したオタクぶり。そのえりぴよの周囲には、長年1人のアイドルを紳士的に追いかけ続ける男性ファンや、アイドルに“ガチ恋”している男の子といった個性的なオタ仲間が存在します。

 また、地方の地下アイドルだけにアイドルとファンの距離感が近いのも特徴です。帰宅途中のアイドルと遭遇して困惑したり、メイドカフェでアルバイトをしているアイドルに出くわしてしまうといった場面も登場。自分の推しアイドルに異性との交際の噂が立ったことで、ドルヲタ活動のモチベーションを失ってしまう男性ファンの姿など、妙なリアリティが感じられるシーンが多かったのも印象的でした。このあたりは、アイドルの“夢のあるキラキラした姿”を描く作品とは一線を画す部分かもしれません。

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