■プレ編の挿入が新規アニメ化ならではの形に
そもそも『プレ編』を入れることは、原作サイドからの要望だったという。過去を見ることで、現在の姿がより印象的に映る。浜名はそれと同時に、『プレ編』の挿入はアニメならではの構成にもつながったと話す。
浜名「今回は原作重視と決めたため、オリジナル要素は加えていません。ですが、『はぐれ旅』本編と別に書かれた『プレ編』を挿し込んでいくことで、2つがうまく接着された、新規アニメ化ならではの構成が作れたと思います。ここはやはり、吉田さんの手腕が大きいです。新しく料理しましょうということだったらもっと違う『オーフェン』を見せられたと思いますが、リメイクでもリバイバルでもない、僕は今回の形が一番よかったと思います」
その意図は正鵠を射ていたのだろう。PV公開、そして第1話放送後、ネット上では「俺たちのオーフェンが帰ってきた」というファンの声が湧き上がっていた。
浜名「ノスタルジックに寄せようという考えはありませんでしたが、歴史のある名作なので、原作から変えずに作ったことが見る側の懐かしさにつながっているのだと思います。制作は大変でしたが、昔のファンにも、今のアニメファンにも楽しんでもらえているのは喜ばしいことです」
吉田「ライトノベル草創期の原作。散りばめられた要素、世界観に、時代の気分をすごく持っている作品なんだと思いますね」
時を巻き戻すかのように復活した『魔術士オーフェンはぐれ旅』。テレビ放送は3月31日(火)の第13話までとなり、ラストエピソード第14話は、dアニメストア、Abemaビデオなどの配信サイトで公開。さらに、5月8日発売のBlu-ray & DVD BOX 2にも収録される。
(C)秋田禎信・草河遊也・TO ブックス/魔術士オーフェンはぐれ旅製作委員会