■まだブレイクの山を登る、ジョイマン高木に『リボーンの棋士』を紹介
一時は将棋の天才ともてはやされた男の挫折と再起をかける姿が、お笑い芸人に似てる部分があると感じ、この漫画をある男に紹介しました。その男の名は、そう……。
ジョイマン高木晋哉です。
2008年、「なななな~」とテレビ界で産声をあげ、キモカワラップで一世風靡したジョイマン。「ありがとう オリゴ糖」や「クリントン 二十トン」、「バーバリー マーガリン」などの初期の名作ラップはいま聴いても色あせません。そしてブレイクした勢いのまま、エミネムとコラボ。世はジョイマン一色でした。
しかし、そんなジョイマンにも過渡期が訪れます。
2008年を中心に大いにブレイクしたジョイマンでしたが、その後2010年3月26日放送の「タカトシ×くりぃむのペケ×ポン」の「旬ものはどれだ」のコーナーでは、なんともう「旬じゃない芸人ルーム」にいたんです。
早すぎるやろ世間!!!
飽きるのが早すぎる!!!
2010年3月なんかまだブレイクの最後のほうやん!おいテレビよ!使うだけ使って消費させといて……最後はそんな使い方しかできひんのか!!恩を感じてないのか!どれだけジョイマンを使って楽したよ!簡単な企画にジョイマンを当てはめるだけで盛り上がって数字が取れたよなぁ!その恩は感じてないのかい!あんたらは感情の無い機械なのかい!!!そんなことやからネットに淘汰されていってるんじゃないのかい!適材適所だろうが!……流行りのタレントだけ使って食うメシはうまいかよぉ!!!
……す、すいません!個人的な感情も入ってしまいました!!!(これは自分の感情も入ってるというボケなのでかなり脚色して言ってますのであしからず)
現在、5巻まで出ている「リボーンの棋士」を読んでジョイマン高木が感想をくれました。
「これは僕の物語、そう思わせるほどに状況が似ている箇所が多くて感情移入が止まらず一気に5巻まで読んでしまいました!僕にこの漫画を勧めたムーディさんの眼力に驚くと共に、熱いメッセージと受け取って、一発屋道を精進していきます!この漫画と共に安住の人生は続いていくし、僕の人生も続いていく。きっと明日から僕も、ただのお笑いキッズだった頃の気持ちで“下半身 じんましん!”と言えるはず。ムーディさん、サンキュー 鼻呼吸!」
高木はしっかりと「リボーンの棋士」に込めた僕の想いに気づいてくれたようです。
世間から軽んじられがちな一発屋。たまたま思いついたギャグがたまたま当たったんだろ?と思われがちですが、みんなブレイクという山を爪が全部剥がれ落ち、食料もつき、体がボロボロになりながらようやく登っています。
そしてまだブレイクという山を登っている、、、僕らどうしようもない奴なんすわ……。
いやいや、終盤で急にかっこよさげなことを言い出すって……。
なんだこいつー!!!
高木の相方池谷のツッコミ「なんだこいつー!」が聞けたところで、このコラム締めさせていただきたいと思います。
羽生善治九段が一巻に書いていた『この作品から将棋の奥深さを感じてもらえたら嬉しいです』という帯コメント。ぜひとも作品を読んで感じてください。