――炭次郎と禰豆子だけでなく、善逸や伊之助や杏寿郎など、それぞれのキャラクターも人気です。

 登場人物たちのギャップの描写がね、いいんですよ。原作漫画がそうなんですけど、母性をくすぐる感じがとてもうまい。善逸なんか、出会いは最悪の情けなさで、鬼との戦いでもへっぴり腰。でも、ラストは「霹靂一閃」で決める! でもそのあとすぐにまた情けない感じに戻ったりして。情けないのとカッコイイのとが合わさって、それがまたかわいいんですよね。

――鬼奴さんの推しキャラは善逸ですか?

 私は炭治郎です。善逸、伊之助、禰豆子も、それこそ全員が大好きなんですけど、やっぱり一番は炭治郎。優しくて、謙虚で、礼儀正しくて。自分の息子にはこうあってほしいという要素がすべて詰まっている子どもなんですよ。

――親目線で読まれているんですね。

 母性です。完全に母性で見てます(笑) 『鬼滅の刃』は男の子のファンだけでなく、30代~40代の女性ファンも多いと聞くんですけど、きっと私と同じ、親目線で読んでいる人が多いんじゃないのかな。「がんばれ! 私の子どもたち!」っていう感じで(笑)

 私、将来は保護猫を飼いたいと考えているんですが、しかも兄妹猫をお迎えしたいんです。そうしたらその子たちは炭治郎と禰豆子って名前にするって、何年も前にオカリナの2人に打ち明けたことがあるんです(笑) 2匹の兄妹の絆を守れるように、大切に育ててあげたいんです。

――そのあと善逸、伊之助と、家族が増えていきそうですね(笑)。作中での好きなエピソードは?

 漫画のとき以上にグっときたのが、アニメでの那田蜘蛛山の累の話です。漫画で泣いて、アニメで大号泣(笑)。累の両親との話を丁寧にたっぷり描いてくれて、あれは切なかったなあ。累の、家族を求める心が悲しすぎて、実際に彼の生声をアニメで聞くのが堪えられなかった……。累のやっていることって、無間地獄だったと思うんですよ。最後、そこから抜け出すことができて本当によかったなって思います。

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