1月5日から、毎週日曜日深夜に放送されているアニメ『映像研には手を出すな!』(NHK総合)。『月刊!スピリッツ』(小学館)で連載中の、大童澄瞳氏による同名コミックを原作とした本作は、自分たちが考える「最強の世界」を表現するため、浅草みどり、金森さやか、水崎ツバメら3人の女子高校生が映像研究会を作り、理想のオリジナルアニメを制作するため奮闘する。
監督を務めるのは映画『マインド・ゲーム』『夜は短し歩けよ乙女』などで知られる鬼才・湯浅政明氏。2014年4月クールに放送された『ピンポン THE ANIMATION』(フジテレビ系)以来、湯浅氏が約5年ぶりに連続テレビアニメを手がけることでも注目されている。
主人公・浅草みどりの声優を担当するのは、連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)をはじめ『獣になれない私たち』(日本テレビ系)などドラマや映画で大活躍の女優・伊藤沙莉。テレビアニメの声優初挑戦となる伊藤が、本作への思いを語った。
■映像研の3人と同じように盛り上がった、お気に入りは「悪漢に追われてる美少女」
――第1話放送後から国内外問わず大きな反響を呼んでいます。ご自身でアニメ『映像研には手を出すな!』をご覧になっていかがでしたか。
すごくかっこよくて、音楽も楽しくて、めちゃくちゃ面白い大好きなアニメです! 一番最初は、同じ『映像研』の金森役の田村睦心さんと水崎役の松岡美里さんと湯浅監督の4人で、第1話の前半Aパートだけ見せていただいたんですが、作品全体を見る冷静さなんて全然なくて、とにかく大興奮状態でした。
自分たちが吹き込んだ声で絵に命が吹き込まれたことがまず一番の驚きで、「すごい! 形になってる!」って、そのことにものすごく感動しました。ワクワク感でいっぱいで、田村さんと松岡さんと3人で、『映像研』の中の3人と同じように盛り上がってましたね、「うわー! おもしろいー!」って(笑)。
――アニメでは原作漫画とは違った構成になっていたり、原作には描かれていないカットなども追加されていて、原作のファンも楽しめる作品となっています。好きなシーンはありますか?
細かいところを挙げるとキリがないぐらい全部好きなんです。でもひとつだけ、その中で本当に細かいお気に入りがあって、第1話で水崎ツバメが使用人に連れ戻されそうになる「悪漢に追われてる美少女」のシーンが大好きなんです(笑)。
原作だと浅草が水崎を担いで、そのまま逃げるんですけど、アニメではそこのドタバタを少し膨らませて描いているんですよ。演劇部の舞台上で浅草たちが逃げながら、最後に舞台セットの仕掛けを使って悪漢を穴に落としてしまうんです。でも、その動きが面白くて。“ボンッ”って普通に落ちるのではなく、滑るように落ちていくんです。ふわっと一瞬浮いて表情も変えず、何の迫力もなく悪漢が落ちていく(笑)。あの動きが大好きで、何度見ても笑ってしまいます。
そういった、静かにジワジワ笑わせられるカットが『映像研』には多いんです。このシーンの手前の水崎から矢継ぎ早に自己紹介される箇所も、浅草が急にジャガイモみたいな顔になってたりとか(笑)。細部に滑り込ませるようにギャグを入れてくるところが、マニアックですけど面白いところだなって思います。さすが、これが湯浅監督作品か!って感動しました。