■平成仮面ライダーは高岩成二だからこそ演じられた

 どのジャンルもそうですが、テクニックというのは、経験を積めばある程度は出来ると思うんです。けどそこから先の部分、そこはセンスが必要となる。平成仮面ライダーのほとんどの主人公を演じた高岩さんは、キャラクターによって変身前のキャストのクセを意識した動きをし、ファンをうならせてきました。

 そんな偉業ができるのは、高岩さんが俳優として確立されてるからなんです。スーツアクター以前に高岩成二という“俳優”なんです。仮面ライダーのカッコよさだけでなく、俳優としての芝居にこだわる。だからこそキャラクターにリアリティが生まれ、平成仮面ライダーは幅広い層のファンに愛される作品になったんだと思います。

 金八先生は武田鉄也さんが演じるから金八先生で、他の俳優さんがやられたらやはり違うキャラクターになってしまうでしょう。スーツアクターはマスクで顔こそ見えませんが、平成の多くの仮面ライダーも高岩成二が演じたからこそ平成仮面ライダーで、他のスーツアクターではまた違うキャラクターになっていたのではないでしょうか。

 俳優として芝居ができて、更にスーツアクターとしてのズバ抜けた技術がある。スペックが二つ。もう二色パンと同じですよ。高岩成二という人間一人で、二色の味が楽しめちゃう。

 普通の俳優さんは一色だけです。言ったらチョコだけ。けど高岩さんは、チョコとクリームもついちゃってるんだから。しかもどっちも美味しいときたもんだ。そりゃプロデューサーさんからしたら、一色のチョコパンよりどっちも美味い二色パン選びますよ。

 さらに言っちゃうと、高岩さん手足が長くてスタイルもいいんです。つまりどういうことかと言いますと、三色パンです。生まれ持ったスタイルというジャムもついてきちゃいました。まとめると【高岩成二=三色パン】です。世の中にスーツアクターさんは沢山います。けど、三色ともおいしい人なんてそうそういません。

 さて、高岩さんがどうすごいのか? なぜこれほどまでに注目を浴びるのか? 気になりますよね? それは次回にグッと詳しくお伝えします。ではまた次回に。さぁみなさん、今からパン屋に行きましょう。三色パンが高岩さんにしか見えないはずです。なわけあるか。

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