■新米看護師として成長! 北乃きいさんが演じた鴨井千夏
北乃きいさんが鴨井千夏を演じた第4シリーズ(2009年)は、医療崩壊や救急患者の受け入れ拒否問題など、現代医療が抱える深刻な問題に踏み込んだ意欲作だ。そんな重苦しいテーマが描かれるなかで、新米看護師の千夏は、未熟ながらも懸命に仕事に取り組む姿が光る、魅力的なキャラクターだった。
経験の浅さゆえの悩みや、救命現場の厳しい現実に戸惑いながらも、一歩ずつ看護師として成長していく千夏。特に印象深いのが、第4話のエピソードだ。
千夏は、骨折で運ばれてきた女性患者と接するうちに、彼女が認知症であることに気づく。事故で亡くした孫の記憶を失っている彼女に、どう接すべきか悩みながらも、千夏は真摯に明るく向き合おうとするのだ。
救命救急の現場では、迅速な処置や的確な判断が求められる。そんななかでも、常に患者に明るく接しようとする千夏の姿は、彼女が持つ温かさを強く感じさせるものだった。北乃さんのフレッシュな演技は、新米看護師のひたむきな明るさと優しさを際立たせていた。
■感染症の脅威に直面! 波瑠さんが演じた国友花音
第5シリーズ(2013年)で、芯の強い若手看護師・国友花音を演じたのが、2015年に連続テレビ小説のヒロインに抜擢されることになる波瑠さんだ。彼女は自分の意見をはっきりと口にする強さを持ちながら、同時に患者を思いやり、相手のために行動できる看護師として印象に残る。
第7話は、そんな彼女のキャラクター性が特に際立つエピソードだ。医局長・小島楓の甥の夕が重篤な状態で搬送されてくる。花音は、少しでも夕に楽しい気持ちで過ごしてほしいと考え、病室を彼の好きなキャラクターで飾ることを発案。患者のために自分にできることを考え、行動に移す花音の優しさが表れた場面だ。
そして、花音が最大の危機に直面するのが、最終話となる第10話である。搬送されてきた患者の緊急処置中、1類感染症であるマールブルグ病の原因ウイルスに曝露してしまうのだ。全身に鮮紅色の発疹が現れ、命の危険にさらされる花音。患者を救うために働いていた彼女自身が、一転して救命チームに救われる立場となる展開は衝撃的だった。
仲間たちの懸命な治療によって奇跡的に回復した花音は、再び救命救急の現場に戻ってくる。危機を乗り越えた彼女が見せる晴れやかな笑顔は、演じる波瑠さんの魅力も相まって非常に印象に残る結末となった。
本作では、他にも須藤理彩さん(第1・2シリーズ)、尾野真千子さん(第3シリーズ)、岡本玲さん(第5シリーズ)といった人気女優が看護師役を務めていた。
『救命病棟24時』は、命を救う医師たちの奮闘だけでなく、悩みや葛藤を抱えながら救命救急の現場を支える看護師たちの姿をも丁寧に描いてきた作品だ。
仕事と子育ての両立に悩むベテラン、震災からの復帰を目指す者、患者との接し方に迷いながら成長する新人、そして自らが命の危機に直面する若手。それぞれ異なる個性を持つ彼女たちの姿が、シリーズに豊かな人間ドラマを生み出してきた。
約13年ぶりとなる新シリーズではどんな医療従事者たちが登場し、どのような人間ドラマが描かれるのか。再び動き出した救命救急の現場で活躍する看護師たちにも注目したい。
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