猫猫と壬氏だけじゃない!『薬屋のひとりごと』で応援したくなる「一途な恋模様」 の画像
アニメ『薬屋のひとりごと』第1期ティザービジュアル (c)日向夏・主婦の友インフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

 現在放送中のアニメ『薬屋のひとりごと』は、後宮内で巻き起こる事件を薬屋の猫猫が解き明かしていく本格謎解きミステリーだ。本筋である謎を解明していく部分だけでなく、猫猫と壬氏の不器用すぎる恋愛模様も本作の大きな魅力の1つである。

 さらにこの2人だけではなく、周囲の人々の恋も謎と絡み合い、物語に奥行きを与えている。後宮や花街といった特殊な環境で一途な恋を貫く彼らの姿は、見る者の胸を打つ。そこで今回は、物語を彩る3つの恋模様を振り返っていこう。

 

※本記事にはアニメ『薬屋のひとりごと』第1期のネタバレを含みます。

■上級妃も羨んだ恋の成就

 1つ目は、アニメ第1期第3話「幽霊騒動」で描かれた芙蓉妃と武官の恋だ。中級妃の芙蓉妃は、毎晩城壁の上で舞いを踊り、後宮内で「幽霊」と間違えられていた。壬氏はその行動の原因を「夢遊病」と考える。彼女は武官に下賜されるという、後宮の妃としては屈辱的な扱いを受けることになっており、それを気に病んだのだろうと思われた。

 しかし、情報を集めるうちに猫猫は、「武官に下賜される」ことこそが彼女の目的ではないかと推理する。実は相手の武官は芙蓉妃と同郷の幼なじみだった。

 それを知った猫猫が立てた仮説は、芙蓉妃はその武官と結ばれるため、皇帝との謁見で得意の舞踊をわざと失敗し、自身への興味を失わせて下賜を待ったのではないか……というものだ。

 故郷では身分違いの恋だったが、下賜された哀れな妃と武官という立場なら、反対されることもない。この計画を成就させるため、どれだけ周りから哀れな中級妃として扱われようと、彼女は自身の想いを貫いた。また城壁での舞も、任務で異民族討伐に向かった武官の無事を願うものであると同時に、夢遊病を疑わせて皇帝の興味をさらに遠ざける狙いがあったと猫猫は推察する。

 猫猫はすべてを見抜きながらも、壬氏にはそのことを伝えず、下賜が滞りなく進むようにした。事情を知らない者からすれば哀れだが、芙蓉妃にとっては最高の結末といえるだろう。

 猫猫から真実を聞いた上級妃・玉葉は、「芙蓉妃が羨ましいなんて言ったら、私はひどい女かしら」と複雑な表情を見せた。上級妃にまでそう言わせるほど、芙蓉妃は見事に恋を成就させたのだった。

■思わず見守りたくなる一途な姿

 後宮とは対照的な世界ともいえる花街でも、一途な恋が描かれている。猫猫と顔見知りである武闘派の武官・李白は、「三姫」と呼ばれる上級妓女の1人・白鈴に心を奪われ、客として通ううちに本気で身請けを望むようになった。しかし、白鈴クラスの身請けには、恐ろしいほどの金がかかる。

 花街で育った猫猫にとって、白鈴は母親のような存在だ。そのため誠実で将来有望な李白であれば幸せになれるはずだと、2人が一緒になるための後押しを試みる。もちろん、李白が白鈴の好みに合いそうだということも、肉体を隅々まで観察して確認済みだった。

 やがて計画は壬氏の知るところとなり、彼は資金援助を申し出るのだが、李白はそれを固辞する。「妻として迎えたい女を、自分で稼いだ金で請けずして……それで男と言えましょうか!」という言葉は、彼の漢気を物語っていた。

 以後の李白は、「いつ会えるかもわからない女に文を送ろう」「ただ一方的に迎えに行くのではなく、彼女の意思を聞こう」と決意し、一途な想いを胸に鍛錬の日々を送っている。一方の白鈴は、人気妓女として忙しい毎日を送る中、猫猫宛の文で「私はまだまだ現役よ。それに私、いつかどこかの王子様が迎えに来るのを待っているもの」と純粋な一面を垣間見せている。

 果たして李白は白鈴が待っている「王子様」になれるのか。視聴者としては、思わず応援したくなる、今後の行く末が気になる恋である。

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