■「これ以上はない」と感じたセロテープ芸

――子どもでも笑えるセロテープ芸もありました。

清水 「横ハメ縦ハメ」があって、口で「ポン」と鼓を打って、そこから行き詰ったんだ。そんなとき、営業先でのマネージャーのひと言をヒントにセロテープを貼るネタを思いついて。どかんどかんウケたね。

――最初は一枚だけでしたが、セロテープの量が増えていきます。

清水 セロテープで春日八郎さんをやったときは、「これ以上はないな」と寂しくなったね。そう思わなかったらアイデアがまだ出てきたかもしれないけど、そう思っちゃった。その後は針金やストッキングを使ったこともあるし、接着剤もあったな。

――接着剤は危険ですね(笑)。村田英雄さんみたいにものまねを喜んでくれる人もいれば不快に思う“ご本人”もいるわけですよね。

清水 風の噂で「○○さんが怒ってる」と聞くんだよ。五木ひろしさんとか谷村新司さんとか。

――コロッケさんは「怒られてなんぼ」という考え方ですが、清水さんは……。

清水 俺は怒られたくないんだよ。名古屋の御園座まで行って、五木さんに謝ったこともある。五木さんは優しい方だから「やりすぎるなよ」と言ってくれたけど、その後、もっと下品なものまねをやっちゃった(笑)。

――怒られたくないのに(笑)。

清水 斜めハメをやってみようかなって。そのほうが気持ちいいでしょ。

――気持ちよさで選ばないでください(笑)。

清水 ものまね四天王で『バカと呼ばれたい』(作詞・作曲、所ジョージ)という曲を出したことがあるんだよ。その通りで、俺は「こいつバカだなぁ」と思われたい。そのためには、自分がやりながら笑っちゃうようなものまねをやらなきゃいけないんだ。

 

【清水アキラ編第3回につづく】

 

【プロフィール】
大貫真之介(おおぬき・しんのすけ)
ライター、編集者。TV局ADや編集プロダクション勤務を経てフリー。アイドルやお笑い、プロレス、80年代文化など多岐にわたるジャンルで多くの雑誌に寄稿。主な著作に『私がグループアイドルだった時』(双葉社)などがある。

【プロフィール】
清水アキラ(しみず・あきら)
1954年、長野県生まれ。大学2年時にTBS『銀座NOW』への出演をきっかけに芸能界入り。その後、ザ・ハンダースを結成、78年、『想い出の渚』で有線大賞の新人賞を獲得。86年、フジテレビ『ものまね王座決定戦』でチャンピオンとなり、以降、ものまね四天王の一角として活躍。

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