■「俺はやりたいことをやっていた」

――85年頃からものまね四天王ブームが起きました。

清水 漫才ブームが2年で終わって、そこからものまね四天王ブームになるんだけど、最中にいる俺たちはよくわかっていなかった。レース中の競輪選手に「速くなったね」と声をかけたって、必死に漕いでるんだから聞こえない。そんなもんだよ。

――コロッケさんは「番組が年に4回あって、そのたびにネタを4本作らなきゃいけないから必死だった」と話していました。

清水 そうだよ、毎日、移動中の新幹線でも飛行機でも、ネタを考えているんだから大変だよ。それに、いまはYouTubeで過去の映像を観ることができるけど、俺たちのときは資料がないから。コロッケはビデオで研究していたみたいだけど、俺は観なかった。自分の記憶が頼りなんだ。だって、見る人も自分の記憶を頼りに、似てるか似てないか判断するんだから。あぁ、コロッケといえば、売れ始めたときに「一緒に車を買おう」という話になったな。

――コロッケさんから聞きました。木村さんから紹介されて買った車がポンコツだったという。

清水 「アキラさん、聞いて。車って雨風がしのげるものでしょ。だけど、雨漏りすんの」って言うから何だろうと思ったら、ガソリンが漏れるんだって(笑)。

――清水さんの車は問題なく。

清水 いい車だったよ。俺はベンツを買ったんだけど、ナンバーに書いてあるSEにXを加えたんだ。

――さすが。清水さんの場合、基本的に淡谷のり子先生が8点をつけるので、ハンディキャップマッチみたいなところがあったと思います。

清水 先攻で99点取られたら、俺は負けよ。もちろん優勝を目指していたけど、なりゆきだと思っていたから、負けても「しょうがない」と思うだけで。観ている人は、「出ようとすると叩かれて」の繰り返しが「モグラたたき」みたいで面白かったと思うよ。

――淡谷先生のおかげで芸が磨かれた部分もありますか?

清水 そうだね。淡谷先生がいなかったら頑張れなかった。下品なネタをやって、審査員みんなが喜んで、順調に勝っていったら番組にならないからね。五木ひろしさんのものまねで「横ハメ縦ハメ」とやって、審査員が全員10点つけていたら抗議の電話が殺到するよ。淡谷先生が怒らないといけないんだ。やってる本人が言うこっちゃないけど(笑)。

――勝てないかもしれないのに下ネタをやり続けていたんですか?

清水 勝とうという気持ちがないわけじゃないけど、俺はやりたいことをやっていたんだ。じゃないと、「どこからきたの?」なんて言いながら風俗嬢のものまねはやらないよ。

――確かに! 子どもの頃、「何をやっているんだろう」と思いながら笑ってました。

清水 子どもにわかるような下ネタはダメなんだよ。大人が笑って、子どもは「なんか変なことをやってるな」でいい。下ネタは子どもを飛び越えなきゃいけない。だから、「うんこちんこ」じゃなくて、「横ハメ縦ハメ」なんだよ。

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