数万円から数十万円の値段がつくこともある「レトロゲーム」の世界。そんなソフトがズラリと揃う『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長にして、自身も大のゲームコレクターである大竹剛氏が、毎回1本のソフトを語るこの連載。今回、ショーケースに並ぶソフトの中から取り上げるのは——?
■1面から強敵に手を焼いた『魔界村』
ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」第67回
『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長、大竹剛です。今回はカプコンの横スクロールアクションゲーム『魔界村』(1985年)のお話をしましょう。難易度の高いことで有名なゲームですよね。
私が行っていたゲームセンターにもあってよく遊びましたが、難しすぎて、すぐ主人公が死んでしまうんですよ。記憶があやふやなんですけど、はじめのうちはコンティニューできなくて、そのうちできるようになったような……。コンティニューできるものが一部あったんだったかな……。設定や仕様によって違ったのか、私がやり方をわかっていなかったのか、ごめんなさい、ちょっと覚えていません。
まぁ、コンティニューがあろうがなかろうが、コインをつぎ込まないと先へ進めないワケです(笑)。翌年にはファミコンに移植されたのですが、そのときはまだファミコンを持っていなくて、家で思う存分遊べるというのがうらやましかったですね。ファミコン版はあとになって買いました。
『魔界村』でとくに手こずったのが、レッドアリーマーです。名前はかなり有名で、強いキャラの代表格みたいに言われてますよね。どれほどのボスかって感じですけど、これが1面の途中でもう出てきますからね(笑)。
鎧を着た騎士が主人公が墓地を進んでいくと、翼のある赤い魔物が襲い掛かってくるんです。上空から斜めに降下して近づいてくるトリッキーな動きに合わせて、後方にジャンプしながら前に槍を投げて倒すんですけど、そのやり方を思いつくまでにどれだけ時間がかかったことか……。
難しくてイヤにもなりましたが、むしろそういうのが楽しかったんですよね。ただただ難しいというのではなくて、慣れてくると倒せるようになる。そんなゲームバランスにしたり、うまく達成感が得られる局面を作ったりするのって、大変だったろうなと思います。
のちに自分がゲーム開発の仕事に携わって思ったのですが、テストプレイをしていると慣れてきてしまって、一般のプレイヤーの感覚がわからなくなってくるんです。そんな状態で判断を誤ると、ゲームが難しすぎたり、簡単すぎたりってことになっちゃうんですよね。
あと『魔界村』といえば、武器の変更が可能というのも画期的でした。それで、連射の効くナイフが欲しいのに、つい使いにくいたいまつを取ってしまいがちなんですよね。アイテムが出てついつい取ってしまってそれがたいまつだったり、たいまつを避けようとしてジャンプしたのにたいまつの上に着地してしまったり(笑)。『魔界村』はジャンプが難しくて、着地地点をうまく調整するのがなかなかできないんですよね。
それから、墓を攻撃して、宝物が出てきた……と思ったらトラップだったり。難しいんだけど、そういった“遊び”が盛り込まれているところがすごく好きでした。ファミコン版も、アーケードと同じくらいの満足感がありましたね。
ですが結局、ファミコン版でもクリアできませんでした。今では、ファミコン版がクリアできないのは私の腕のせいではなく、勝手に「アーケード版とは違うから」ってことにしています(笑)。クリアはできなかったけど、思い出深いタイトルですね。


