最終回でアンケート1位に浮上!? 『少年マガジン』人気作家の惜しくも短期終了となった知られざる名作たちの画像
小川悦司氏の『ジパング宝王伝』1巻(講談社/週刊少年マガジンコミックス)

 「スポーツ」「料理」「ラブコメ」など、幅広いジャンルの名作を数多く生み出してきた漫画誌『週刊少年マガジン』(講談社)。仲間との衝突や挫折を経験しながら成長する登場人物たちの姿は同誌の魅力の1つであり、多くの人気作家を輩出してきた。

 しかし、いかに人気漫画家の作品であっても、すべてが長期連載に恵まれるとは限らない。別の題材に挑んで短期間で終了した作品や、連載終了が決まった後から人気になった悲しい作品もある。

 そこで今回は、1980年代から2000年代初頭の『週刊少年マガジン』で連載され、惜しくも短期終了となった人気漫画家の3作品を紹介したい。

 

※本記事には各作品の内容を含みます。

■国民的ボクシング漫画を生み出した作者の初期作はサッカー漫画!『一矢NOW』

 ひとつ目は、『はじめの一歩』の森川ジョージさんによる『一矢NOW』。1986年の『週刊少年マガジン』7号から連載された作品で、ボクシング漫画で広く知られる森川さんだが、本作はサッカーの全国大会を目指す中学生たちが中心となる。

 主人公は、星和中のサッカー部に所属する火口一矢。仲間の岡田真人らとともに県大会決勝まで勝ち進み、全国でもトップクラスの実力を持つ伊集院学園と対戦することになる。

 そんな一矢は、相手チームの偵察に訪れた際に、エース・大友晃司のプレーを見て、勝負したい気持ちが抑えきれなくなる。ついには相手の練習に加わり、大友との対決を試みるのだ。強豪を前にひるむどころか、自ら積極的に挑んでいく主人公の姿勢が印象的だった。

 当初はワールドカップで活躍するまで構想としてあったようだが、連載は同年25号で終了、コミックは全2巻となった。雑誌インタビューで森川さんは、本作を含む『はじめの一歩』以前の3作品はすべてが打ち切りだったことを明かしている。

 その一方で、初期の打ち切りを経て、漫画を描くだけでなく人気を得ることがプロの仕事なのだと意識が変わったとも語っている。初期の不遇の時代を乗り越えたからこそ、約37年にわたる長期連載作家として活躍できているのかもしれない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3