■設計士になるつもりが「バカじゃ継げない」

――ネタが完成されていたんですね。ものまねでプロになろうと思っていたんですか?

清水 プロになろうと思ったことがないんだよ。親父が建築事務所をやっていたから、大学の建築科を出て、設計士になろうと思っていたからね。足利工業大学に進学して、2年生になったときに親父が死んで。おふくろに「俺が家に帰って、跡を継ぐしかないね」と言ったら、「お前みたいなバカじゃ継げないから。いまは遊んでなさい」と返されて。「なにして遊ぼうかな」と思っていた頃、スキーの合宿所に電話がきたんだよ。「TBSの『ぎんざNOW!』ですが、清水アキラさんですか?」って。

――向かうから電話があったんですね。

清水 そう。「おー、俺のものまねが見つかった?」とニヤニヤして話を聞いていたら、どうやら他薦だと。後輩が「ラビット関根より面白いやつがいる」と俺を推薦してくれたんだ。そいつは、推薦者にもらえる時計がほしかったみたいでね。おふくろに「遊べ」と言われたし、スキーシーズンも終わったから、「じゃあ、オーディションを受けに東京に行こう」と。

――自分のものまねが通用する自信があったんですか?

清水 いや、わからなかった。大学では日本拳法もやっていたから忙しくて、『ぎんざNOW!』を観ていなかったんだよ。オーディションが行われたTBSの会議室には、プロデューサーやディレクターがズラッと並んでいて。張り詰めた空気のなか、俺の前にネタを見せた人は「それ、面白いと思ってるの?」「“ということで”って言ってたけど、どういうこと?」なんて詰められている。
 「あぁ、俺もダメだろうな」と思いながら、ブルース・リーや左卜全のものまねをやったら大ウケで。長野の山奥でやっていた芸が通用しちゃった。土曜日に合格して、次の月曜日には番組に出ることになって。

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