■オプションを2つしか付けられなかったファミコン版と裏技の思い出
『グラディウス』は、1986年にファミコン版が出ました。これもめっちゃ遊びましたね。当時はファミコンを持っていなかったので、友達の家で遊んだり、カセットを貸してもらったりしていました。
オリジナルのアーケード版とはいろいろと違いましたが、そういうもんだと割り切るしかなかったです。たとえば、アーケード版では横に長いレーザーが発射されるんですが、ファミコンの性能だと表現できないので、短いレーザーを点滅させて出していましたね。
あと、2面のストーンヘンジステージや、3面のモアイステージは、アーケード版では上下がつながっているというか、自機で一番上まで移動するとそのまま下から出てくる仕掛けになっていたんです。それがカットされていました。これに関しては、技術的には普通に移植できたんじゃないかなって思うんですけど、なにか制約があったんですかね。どうして実装されなかったのかなぁ。
そうそう、『グラディウス』ならではのパワーアップとして、「オプション」という装備があります。アーケードでは4つまで付けられますが、ファミコンだと2つまでなんですよね。
それで、今でも覚えているのが、ゲーム雑誌のファミマガこと『ファミリーコンピュータMagazine』に掲載された裏技です。「オプションの数を増やせる」という技でした。
やり方は、オプションを2つ付けた状態でやられたときにコマンドを入力しIIコントローラーのマイクに向かって「オプション」と叫ぶ、というもの。そうすると、やられた地点に2つのオプションが残っていて、リスタートしてそこまで戻ったときに回収できるっていうんですよね。なので、アーケード版のように2つ以上付けることも可能になるというわけです。
「これはすごい!」と、何回も何回もやられては叫んで、もうバカじゃないのってくらい試したんですけど、これが全然できない。そしたら次の週だったか、ファミマガに「ウソ技」だったと明かされていて……。「もう、なんてことしてくれるんだ!」と思いました(笑)。
ファミマガの裏ワザコーナーには……誌面では“ウル技(テク)”と呼ばれていましたが、ある時期からひとつだけ「ウソ技」が混ざっていて、それを読者クイズにしていたんですよね。かなりのショックを受けたので、いまでも忘れられません。
でも、あとになって、私が開発に携わったくにおくんのゲーム『いけいけ!熱血ホッケー部「すべってころんで大乱闘」』(1992年/テクノスジャパン)のウソ技を載せてくれたことがあったんです。このときはすごくうれしかったですね(笑)。
ハーフタイムのときに、リンクを清掃するおじさんが出てくるんですが、そのおじさんがたくさん増えるという内容だったかな。実はこのときも知らずに試してみて、会社の人に「これ、できないですよね」なんて言ってたんです。そしたら「それ、ウソ技だよ」って言われて気づいて(笑)。「私の作ったゲームもウソ技になったかー」と、ちょっと感慨深かったです。
当店では現在、ファミコン版の『グラディウス』を4400円(税込/完品)で販売しています。大ヒットしたゲームだけに出回っている数が多く、稀少性がないため落ち着いた価格となっています。
※ソフトの値段や状態などは取材時のものです。
【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。


