『ルパン三世』天才ガンマン・次元大介が「狙った的を外した」意外な理由 百発百中に隠された秘密も…の画像
『ルパン三世DVDコレクション2』2015年02/24号(講談社)

 モンキー・パンチさん原作の『ルパン三世』に登場する次元大介といえば、主人公・ルパン三世の相棒として数々の修羅場をくぐり抜けてきた凄腕のガンマンとして知られている。

 愛用するコンバット・マグナムを手に、遠く離れた標的を正確に撃ち抜くのはもちろん、早撃ちにおいても並外れた腕前を見せる。まさに、ルパン一味きっての射撃の名手だ。

 そんな次元だが、長く続く『ルパン三世』シリーズの中では、思わぬ理由で「的を外した」ことがあった。そこにはどんな理由があったのだろうか。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■撃つたびに悶絶!? 次元を襲ったまさかの弱点

 まずは、1998年に放送されたテレビスペシャル第10作『ルパン三世 炎の記憶 〜Tokyo Crisis〜』から。物語は、徳川埋蔵金の鍵を握る徳川慶喜の2枚の肖像写真を巡り、ルパン一味と実業家マイケル・スズキが激突する物語だ。東京湾にそびえる巨大施設「アクアポリス」を舞台に、一獲千金を狙う両者の緻密な思惑と仕掛けが交錯していく。

 本作で次元を苦しめていたのが、まさかの虫歯だった。歯の痛みに悩まされるあまり、射撃にも支障が出てしまう。中盤の銃撃戦では、なんとか銃を構えるものの、発砲した瞬間に「わぁ響くぅ〜」と苦悶の声を漏らす始末であった。

 しかも、このとき不調だったのは次元だけではない。石川五ェ門も愛刀・斬鉄剣を奪われており、いつもなら頼りになる2人が、揃って本来の力を発揮できない。敵を前にしても防戦を強いられるという、珍しい展開となった。

 ところが物語の終盤、スズキ一味との戦闘中に次元が敵に殴られた衝撃で、彼を苦しめていた虫歯が抜ける。抜けた歯にキスをして喜ぶ次元。痛みから解放された彼は、斬鉄剣を取り戻した五ェ門とともに、それまでの不調が嘘のような活躍を見せたのだった。

■狙いが定まらない!? 次元の射撃を支えた意外なこだわり

 続いては、テレビアニメ第2シリーズ第152話「次元と帽子と拳銃と」である。このエピソードでは、次元の射撃を支えていた、ある意外な秘密が明らかになる。

 次元といえば、目元が隠れるほど深くかぶったソフト帽がトレードマークだ。ところが、この帽子は単なるファッションではなかった。

 サイズは58.25、つばの長さは8.6cm、厚さは1.5mm。素材はなんとゾウアザラシのオス(4歳)の腹の皮という、非常にこだわりの詰まった逸品である。この帽子のつばが照準の目印となり、次元の驚異的な射撃精度を支えていたという。

 そんな秘密を見抜いたのが、銃の腕で世界一の座を次元と争う殺し屋、ミネソタ・ファッツだった。ファッツは殺しの依頼を受けて次元に決闘を申し込むが、その前に予備も含めて次元の帽子をすべて焼いてしまう。

 そして迎えたファッツとの決闘当日。帽子を失った次元はまともに銃を撃つことすらできず、逃げる一方。ついにはスイス国境の雪山まで追い込まれてしまう。ところが、実はこれはルパンが次元に授けた策だった。

 ファッツが銃を撃った瞬間、その銃声をきっかけに大きな雪崩が発生。ファッツは雪崩に飲み込まれ、次元は仲間のヘリコプターでその場を脱出する。こうして2人の決闘は、銃の腕前ではなく、思わぬ形で勝負が決まったのだ。

 しかし、本当にこの帽子がなければ次元の射撃の腕は落ちるのだろうか。この点においては疑問が残る。

 というのも、同じシリーズでも、第75話「不二子に花嫁衣装はにあわない」では帽子なし、第137話「華麗なるチームプレイ作戦」では真っ暗闇の中、別の帽子をかぶって射撃を成功させている。さらに言えば、次のシーズン『ルパン三世 PARTIII』のオープニングでも、帽子をかぶらずに鮮やかな射撃を披露する姿が確認できる。

 こうして振り返ると、帽子は射撃のための必要ツールではなく、彼がプロのガンマンとして集中を高めるための精神的な“切り替えスイッチ”のようなものなのかもしれない。

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