■見えない、というシンプルな恐怖…透明の赤ん坊
第4部ではスタンド使い同士のバトルだけでなく、日常に潜む奇妙な出来事も描かれた。その能力で主人公・東方仗助たちを思わぬ窮地に立たせたのが、偶然出会った透明の赤ん坊だった。
この赤ん坊は、仗助と彼の父であるジョセフ・ジョースターが発見した女の子で、自身のスタンド「アクトン・ベイビー」の力により、姿が見えない透明な状態になっていた。
彼女自身は人畜無害な存在であり、当初は仗助たちも一風変わった子守に奮闘する。しかし、彼女のスタンド能力が暴走したことで、思いもよらぬ事態が巻き起こる。
やっかいなのは、赤ん坊ゆえにそのスタンド能力を、無意識に発動させてしまう点である。その能力は自身の体だけでなく、周囲の物体まで透明にできるが、ストレスを感じると能力が暴走し、手当たり次第に効果を発揮してしまうのだ。
そもそも、まだ歩くこともできず、言葉による意思疎通がはかれない点も、状況をさらに複雑にしていた。
機転を利かせたジョセフが、赤ん坊にファンデーションを塗ることでかろうじて姿を視認できるようになったものの、最終的にはそのファンデーションすら透明化。そして能力を暴走させたあげく、ついには水のなかに落下し、居場所が完全に分からなくなってしまう。
刻一刻と時間が過ぎていくなか、思わぬ形で仗助らは精神的に追い詰められていった。
ちなみにこの赤ん坊は、最終的にはジョースター家の養子となり、「静・ジョースター」と名づけられる。名前の読み方を変えると「ジョジョ」になることに気づき、ニヤリとしたファンも多いのではないだろうか。
さまざまなスタンド使いが登場する『ジョジョの奇妙な冒険』だが、幼く無邪気な子どもたちが使いこなすスタンド能力は、思わぬ形で主人公たちにも降りかかり、彼らを窮地に追い詰めた。
相手が子どもであるという事実そのものが、戦い慣れた猛者たちの判断を鈍らせ、致命的な隙を生み出してしまうケースも少なくはない。
これらのキャラクターは、年齢や体格では決して測れないスタンド能力の恐ろしさを、読者にあらためて実感させるものだった。


