■致命的な油断が、その後の悲劇を生んだ!?

 OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する「アルビオン隊」は、当時の最新鋭のペガサス級強襲揚陸艦「アルビオン」を旗艦とし、地球連邦軍再建計画の一環である「ガンダム開発計画」の一端を担う重要な任務に就いていたエリート部隊である。

 旗艦や搭載モビルスーツが優れているだけでなく、乗組員も選りすぐりのエリートであると考えられ、実際アルビオン隊に属していた多くのパイロットが、その後に発足するエリート部隊「ティターンズ」の所属となっている。

 アルビオン隊に任された任務は、受領したガンダム試作1号機、試作2号機をトリントン基地に運び、さまざまな評価試験を行うことだった。ガンダム開発計画自体が重要機密であり、ガンダム試作2号機(サイサリス)に至っては、条約で禁じられている戦術核まで備えていたのである。

 そんな重要任務中にもかかわらずアルビオン隊は、かつてのジオン軍の残党アナベル・ガトーの手によって、核弾頭を装備した試作2号機をまんまと奪取されてしまう。

 機密のかたまりである試作2号機を奪われた理由は、ガトーの綿密な計画と大胆な行動力、そして連邦サイドのずさんな警備も要因ではあるが、管理責任を担うはずのアルビオン隊の防衛体制にも大きな不備と油断があったのは間違いない。

 そもそもガンダムを開発したアナハイム・エレクトロニクス社からアルビオンに出向していた整備技師のニック・オービルが、ジオンの送り込んだスパイであり、内部情報が筒抜けだったことも大きな問題だった。

 いずれにせよ、この時奪われたガンダム試作2号機に搭載された核は、連邦軍の観艦式の場で発射され、式典に参加していた連邦艦艇の3分の2を航行不能にするという大惨事を引き起こしたのだから、取り返しのつかない失態といえそうだ。


 今回は本来は優秀であるはずのエリートと呼ばれる部隊が、作中でまさかの失態を犯したケースを振り返ってみた。行き過ぎたエリート思考、平和ボケした油断などが、致命的な結果を招くことは現実世界でも珍しくない。

 そういった選ばれし者たちによる考えられないミスによって窮地に立たされるシチュエーションが描かれるのも、ガンダム作品らしさといえるのかもしれない。

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