主に戦争が舞台になっている『ガンダム』シリーズには、さまざまな軍の部隊が登場。中でも特別な機体を運用したり、重要なミッションを任されたりする「エリート」と称される部隊も存在する。
大きな括りにおいて有名どころでは、『機動戦士Zガンダム』に登場する「ティターンズ」が地球連邦軍内の特殊部隊という扱いで、隊員たちは自らエリートであることを自負していた。
しかし、そんなエリートのそろった部隊が必ずしも大きな戦果を挙げているかといえば、必ずしもそんなことはない。時にはエリート意識が高すぎるあまりに暴走するようなケースも見受けられた。
そこで今回は、歴代『ガンダム』作品の劇中でエリート部隊と呼ばれながらも、あまりにも無残な敗北や失態、醜態をさらしてしまった部隊をピックアップ。その失敗に至った致命的な理由についても振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■騎士道精神を持つ、選ばれし精鋭たち「ガザの嵐」
アニメ『機動戦士ガンダムZZ』に登場したのが「ガザの嵐」隊。ネオ・ジオンに所属するマシュマー・セロの部下3名によって構成された精鋭部隊である。
リーダーのパンパ・リダ、ワイム、ビアンという腕利きのパイロットで構成され、ガザCの後継機体である可変モビルスーツ「ガザD」の量産先行機をいち早く与えられていた。
彼らが属するマシュマー率いる「エンドラ隊」は、単艦でコロニー制圧を任されるほどの精鋭だ。その中でも選りすぐりのパイロットたちで構成されたガザの嵐隊は、相当な技量の持ち主たちであることがうかがえる。
書籍『週刊ガンダム・モビルスーツ・バイブル 48号』(デアゴスティーニ・ジャパン)の記述によれば、ガザの嵐隊はもともとガザ系列機の開発にも携わった民間上がりのパイロットが選ばれたとされており、実際劇中でも、機体を巧みに操ってスモーク(煙幕)で空中にバラを描くという曲芸飛行を披露している。
また、上官であるマシュマーと同様、騎士道精神を重んじる面もあり、リーダーを中心に統率のとれたフォーメーションを得意としていた。
そんな精鋭であるガザの嵐隊が、ジュドーが乗るZガンダムと接敵すると、3機で煙幕を張る三位一体の連携「ガザ・ストーム・フォーメーション」を披露する。
しかし、この時ガザの嵐隊は信じられないミスを犯す。自分たちの放った煙幕が自らの視界まで遮ってしまい、Zガンダムを見失うという醜態をさらしたのである。
最後はコロニーに穴を開けられたことで煙幕が晴れてしまい、3機ともZガンダムに無力化されてしまった。エリート部隊らしからぬ凡ミスが命取りとなった、あまりにもお粗末なケースといえるだろう。
■高性能モビルスーツたちが実力も発揮できずに撃墜…
OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場した「スカーレット隊」は、地球連邦軍が誇る最新鋭のペガサス級「グレイファントム」を母艦とする精鋭部隊である。
スカーレット隊に配備されたモビルスーツは、一年戦争当時の高性能機ぞろいで、スペック上はアムロの乗るガンダムすら凌駕するジム・スナイパーIIやジム・コマンド、それを支援する量産型ガンキャノンなど最新鋭機ばかりだった。
そもそもスカーレット隊がリボーコロニーに駐留していたのも、連邦軍が誇る最新のガンダム「ガンダムNT-1」を受領するためであり、客観的に見ても、この当時の地球連邦軍のエリート部隊だったと思われる。
そして、ジオン軍の特殊部隊「サイクロプス隊」が駆る強襲用モビルスーツ「ケンプファー」がコロニーを急襲すると、スカーレット隊は迎撃のために出撃。だがコロニーへの降下中、たった1機のケンプファーにことごとく撃墜され、無事に着地できたジム・コマンドも敵を見失って背後から撃たれ、わずか数分のうちにスカーレット隊は全滅したのである。
とんだ醜態をさらしてしまったスカーレット隊だが、その敗因を探るとすれば、戦闘区域が中立コロニー内だったことが挙げられる。連邦側は条約違反になるような行動がとれなかったため、後先考えないジオン側の1機になすすべもなくやられてしまったとも考えられるだろう。
だが、多数の最新鋭機を擁する連邦屈指のエリート部隊にしては、あまりにも切ない顛末だったと言わざるを得ない……。


