“母なる星”に“好奇心”も…生きた星がしゃべる!? 『銀河鉄道999』に登場した「奇妙な生命体惑星の悲しき末路」の画像
『さよなら銀河鉄道999-アンドロメダ終着駅』4Kリマスター版(C)松本零士・東映アニメーション (C)東映アニメーション

 松本零士さんの代表作である『銀河鉄道999』。発表されてから半世紀近くが経ったが、新作劇場アニメーションの制作が発表されるなど、今もなお絶大な人気を誇る不朽の名作である。

 本作は、主人公・星野鉄郎が謎の美女メーテルとともに銀河超特急999号に乗って、広大な宇宙を旅する物語だ。その道中では、さまざまな人々や文化に触れるだけでなく、ときには危険な異星人に遭遇することもある。そして数ある星のなかには、星そのものが意思を持ち、語りかけてくるといった生命体惑星も存在するのだ。

 今回は、作中に登場した「生きた星」たちが織りなす、衝撃的な生態とドラマを紹介したい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■星そのものが優しいお母さん…「透明海のアルテミス」

 エピソード「透明海のアルテミス」で999号が到着したのは、星そのものが巨大な不定形生命体となっている、やわらかい星だ。その正体は、数多くの命を生み出してきた「母なる星」であった。

 この星は自ら動くことができず、偶然にも999号の軌道上に迷い込んでしまう。結果、999号は星と衝突、その内部に沈みこみ、身動きが取れなくなってしまう。そこで鉄道管理局警備本部は999号を救出するため、母なる星を震動波で破壊するという非情な決定を下すのだ。

 鉄郎がその決定に猛反対していると、アルテミスという女性が瀕死の状態で宇宙船に乗って現れる。彼女はこの星で生まれた女性で、最期の時を過ごす場所として母体である星に戻ってきたのだ。 

 アルテミスは母親である星の大地に包まれ、静かに息を引き取る。その光景を目の当たりにした鉄郎は涙を流し、星の破壊を止めようと叫ぶ。そんな鉄郎の優しい心を知った母なる星は、999号を救うため、自ら震動波を受けて消滅するのである。

 母なる星からは「ホギャアホギャア」という赤子のような声が響き、常にたくさんの命が誕生していた。また、娘であるアルテミスが戻ってきた際には、着陸の衝撃を吸収して優しく受け止めている。そんな偉大な母なる星に心を打たれた鉄郎が、必死になって星を守ろうとする姿も切なかった。

 「母なる星」は『銀河鉄道999』に登場する数多の惑星の中でも、ひときわ深い母親の愛情を見せてくれた星である。

■恥ずかしさのあまり最後は自爆「好奇心という名の星」

 エモーショナルな母の愛から一転、次はできれば立ち寄りたくない生きた惑星を紹介したい。エピソード「好奇心という名の星」に登場した星の名前は「好奇心」である。

 この星は表面に巨大な目玉を持ち、常に999号に視線を送ってくる不気味な星で、星そのものが意思を持ってしゃべる。この「好奇心」は999号を無理やり停車させ、鉄郎たちは仕方なく星に降り立つ。その目的は「人間の体(特に美しいメーテル)をよく観察したい」という身勝手な“好奇心”だった。

 星はメーテルを裸にさせると、さらに「体の内部を見るために解体しろ」と、車掌に恐ろしい命令を下す。言うことを聞かないなら体をバラバラにしてやると脅され、一行は絶体絶命のピンチに陥った。

 しかし、そのとき鉄郎はナイフで「好奇心」の皮膚(地面)を切り裂いて反撃。すると地表が剥がれ、その奥から無機質な機械の塊が露出する。他人の体を暴こうとしたくせに、自分の醜い内部を全員にまじまじと見られてしまった「好奇心」は、その羞恥心に耐えきれず自爆してしまうのだった。

 「因果応報」とはまさにこのことだろう。自らの好奇心が招いた、なんとも皮肉でシュールな末路である。

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